Homebrew のアンインストール・クリーンアップ完全手順

Homebrew は macOS で最も人気のあるパッケージマネージャーですが、時には完全に削除する必要に迫られることがあります。新しい環境への移行、システムのクリーンアップ、または問題解決のためなど、理由は様々です。
しかし、Homebrew の完全削除は思った以上に複雑で、中途半端な削除では後々トラブルの原因となることがあります。この記事では、Homebrew を完全にアンインストールし、システムをクリーンな状態に戻すための完全な手順をご紹介します。
「一度きちんと削除して、新しく始めたい」そんな想いを抱いている方に、安心して実行できる手順をお届けします。
アンインストール前の準備作業
インストール済みパッケージの確認
まずは、現在インストールされているパッケージを確認しましょう。これにより、削除の影響範囲を把握できます。
bash# インストール済みパッケージの一覧を表示
brew list
このコマンドで、現在インストールされているすべてのパッケージが表示されます。出力例:
cssgit
node
python@3.11
wget
重要なパッケージがある場合は、後で再インストールするためにメモしておきましょう。
bash# パッケージの詳細情報を確認
brew info <パッケージ名>
例えば、Node.js の詳細を確認する場合:
bashbrew info node
重要なデータのバックアップ
Homebrew でインストールしたアプリケーションが作成したデータがある場合は、事前にバックアップを取っておきましょう。
bash# よく使用されるデータディレクトリの確認
ls -la ~/Library/Application\ Support/
ls -la ~/Library/Preferences/
特に以下のディレクトリは要注意です:
~/Library/Application Support/
- アプリケーションの設定データ~/Library/Preferences/
- アプリケーションの設定ファイル~/.config/
- 設定ファイル(存在する場合)
依存関係の確認
パッケージ間の依存関係を確認し、削除の影響を予測しましょう。
bash# 依存関係の詳細を表示
brew deps --installed
このコマンドで、各パッケージがどのパッケージに依存しているかが分かります。
bash# 特定のパッケージの依存関係を確認
brew deps <パッケージ名>
Homebrew の完全アンインストール手順
パッケージの一括削除
まず、インストールされているすべてのパッケージを削除します。これにより、Homebrew 本体を安全に削除できるようになります。
bash# すべてのパッケージを一括削除
brew uninstall --force $(brew list)
このコマンドで、インストールされているすべてのパッケージが強制的に削除されます。
もし特定のパッケージでエラーが発生する場合は、個別に削除しましょう:
bash# 個別パッケージの削除
brew uninstall --force <パッケージ名>
よくあるエラーと対処法:
エラー例 1: Error: No such keg: /opt/homebrew/Cellar/<パッケージ名>
bash# このエラーが出た場合は、パッケージが既に削除されているか、
# 破損している可能性があります。スキップして次に進みましょう
エラー例 2: Error: Refusing to uninstall <パッケージ名>
bash# 依存関係がある場合のエラー。強制削除を試します
brew uninstall --ignore-dependencies --force <パッケージ名>
Homebrew 本体の削除
パッケージの削除が完了したら、Homebrew 本体を削除します。
bash# Homebrewのアンインストールスクリプトを実行
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/uninstall.sh)"
このスクリプトは、Homebrew の公式アンインストール手順です。実行中に確認メッセージが表示されるので、y
を入力して進めてください。
実行時の出力例:
arduinoHomebrew Uninstaller
===================
This script will remove Homebrew and all packages installed via Homebrew.
WARNING: This will remove all Homebrew packages and data!
Are you sure you want to continue? [y/N]
関連ディレクトリの削除
アンインストールスクリプトが完了した後、残存している可能性のあるディレクトリを手動で削除します。
bash# Homebrewの主要ディレクトリを削除
sudo rm -rf /opt/homebrew
sudo rm -rf /usr/local/Homebrew
sudo rm -rf /usr/local/Cellar
sudo rm -rf /usr/local/bin/brew
Intel Mac の場合は、以下のディレクトリも確認してください:
bash# Intel Mac用のディレクトリ(存在する場合)
sudo rm -rf /usr/local/opt
sudo rm -rf /usr/local/include
sudo rm -rf /usr/local/lib
sudo rm -rf /usr/local/share
システムクリーンアップ
キャッシュファイルの削除
Homebrew が作成したキャッシュファイルを削除して、ディスク容量を確保しましょう。
bash# Homebrewのキャッシュディレクトリを削除
rm -rf ~/Library/Caches/Homebrew
rm -rf ~/Library/Logs/Homebrew
また、システム全体のキャッシュも確認します:
bash# システムキャッシュの確認と削除
sudo rm -rf /Library/Caches/Homebrew
sudo rm -rf /var/cache/Homebrew
設定ファイルの削除
Homebrew に関連する設定ファイルを削除します。
bash# Homebrewの設定ファイルを削除
rm -rf ~/.homebrew
rm -f ~/.brewrc
シェルの設定ファイルから Homebrew 関連の設定も削除する必要があります:
bash# シェル設定ファイルの確認
ls -la ~/.zshrc ~/.bash_profile ~/.bashrc
これらのファイルを開いて、Homebrew 関連の行を削除してください。通常、以下のような行があります:
bash# 削除すべき行の例
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
export PATH="/opt/homebrew/bin:$PATH"
環境変数の削除
環境変数から Homebrew 関連の設定を削除します。
bash# 環境変数の確認
echo $PATH | grep homebrew
Homebrew のパスが含まれている場合は、シェル設定ファイルから削除する必要があります。
bash# 一時的に環境変数から削除(現在のセッションのみ)
export PATH=$(echo $PATH | tr ':' '\n' | grep -v homebrew | tr '\n' ':' | sed 's/:$//')
アンインストール後の確認作業
削除の確認方法
Homebrew が完全に削除されたかを確認しましょう。
bash# Homebrewコマンドの確認
which brew
正常に削除されていれば、brew: command not found
というエラーが表示されます。
bash# Homebrewディレクトリの存在確認
ls -la /opt/homebrew
ls -la /usr/local/Homebrew
これらのディレクトリが存在しないことを確認してください。
システムの動作確認
Homebrew の削除後、システムが正常に動作することを確認します。
bash# 基本的なコマンドの動作確認
which git
which python3
which node
これらのコマンドが正常に動作することを確認してください。もし動作しない場合は、システムに標準でインストールされているバージョンを使用するか、別の方法で再インストールする必要があります。
残存ファイルのチェック
最後に、Homebrew 関連のファイルが残っていないかチェックします。
bash# 残存ファイルの検索
find /usr/local -name "*homebrew*" 2>/dev/null
find /opt -name "*homebrew*" 2>/dev/null
find ~ -name "*homebrew*" 2>/dev/null
これらのコマンドで見つかったファイルがあれば、手動で削除してください。
トラブルシューティング
よくある問題と解決策
問題 1: パーミッションエラーが発生する
bash# エラー例: Permission denied
# 解決策: sudoを使用して権限を付与
sudo chown -R $(whoami) /opt/homebrew
問題 2: ファイルがロックされている
bash# エラー例: Resource busy
# 解決策: プロセスを終了してから削除
lsof | grep homebrew
kill -9 <プロセスID>
問題 3: シンボリックリンクが残っている
bash# 残存するシンボリックリンクの確認と削除
find /usr/local/bin -type l -exec ls -la {} \; | grep homebrew
sudo rm /usr/local/bin/brew
手動での強制削除
通常の方法で削除できない場合の強制削除手順です。
bash# 強制削除の実行
sudo rm -rf /opt/homebrew
sudo rm -rf /usr/local/Homebrew
sudo rm -rf /usr/local/Cellar
sudo rm -rf /usr/local/opt
sudo rm -rf /usr/local/include
sudo rm -rf /usr/local/lib
sudo rm -rf /usr/local/share
注意: この手順は最後の手段として使用してください。システムに影響を与える可能性があります。
サポート情報
問題が解決しない場合は、以下のリソースを活用してください。
Homebrew 公式ドキュメント:
macOS 関連のサポート:
まとめ
Homebrew の完全アンインストールは、一見複雑に見えますが、適切な手順に従えば安全に実行できます。重要なのは、事前の準備を怠らないことと、段階的に作業を進めることです。
今回ご紹介した手順を実行することで、システムをクリーンな状態に戻し、新しい環境で再スタートを切ることができます。Homebrew は素晴らしいツールですが、時には完全にリセットすることで、より良い開発環境を構築できることもあります。
「新しい始まり」は、時には完全な終わりから始まります。この手順を参考に、安心して Homebrew のアンインストールを実行してください。
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