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Claude Code プロンプト設計チートシート:役割・入力・出力フォーマット定番集

Claude Code プロンプト設計チートシート:役割・入力・出力フォーマット定番集

Claude Code を使っていると、「どうプロンプトを書けば期待通りの結果が得られるのか」と悩むことはありませんか。実は、プロンプト設計には定番のパターンがあり、それを知っているだけで作業効率が大きく変わります。

本記事では、Claude Code でのプロンプト設計における「役割」「入力」「出力フォーマット」の定番パターンをチートシート形式でまとめました。コピー&ペーストですぐに使える実践的なテンプレート集として、日々の開発にお役立てください。

プロンプト設計パターン早見表

#パターン分類主な用途キーワード例出力形式
1コード生成系実装・機能追加実装してくださいコードを生成TypeScript/JavaScript
2コードレビュー系品質チェック・改善提案レビューしてください改善点を指摘Markdown リスト
3リファクタリング系コード最適化・構造改善リファクタリング最適化TypeScript/JavaScript
4デバッグ系エラー解析・修正エラーを修正原因を調査説明文 + コード
5ドキュメント生成系README・API ドキュメントドキュメントを作成説明を追加Markdown
6テストコード生成系ユニットテスト・E2E テストテストを書いてくださいテストケースJest/Vitest/Playwright
7説明・解説系コード理解・学習支援説明してくださいどのように動作段階的な説明文
8設計・アーキテクチャ系構造設計・パターン適用設計してくださいアーキテクチャ図解 + 説明

役割定義パターン早見表

#役割タイプ定義例適用場面
1エキスパート型あなたは経験豊富なTypeScript開発者です高度な実装・設計
2レビュアー型あなたはコードレビューの専門家です品質チェック
3チューター型あなたは初心者に教える先生です学習支援・説明
4アーキテクト型あなたはシステムアーキテクトです設計・構造決定
5テスター型あなたはQAエンジニアですテスト設計・品質保証

出力フォーマット早見表

#フォーマット種類指定方法使用例
1コードのみコードのみを出力実装ファイル生成
2段階的説明 + コードステップごとに説明しながらチュートリアル
3リスト形式箇条書きで問題点の列挙
4表形式表形式で比較技術比較・選定
5JSON/YAMLJSON形式で設定ファイル生成
6Markdown ドキュメントMarkdown形式でドキュメント作成
7図解付きmermaid図を含めてアーキテクチャ説明

背景

プロンプトエンジニアリングの重要性

AI 開発アシスタントツールが普及する中、プロンプトの書き方次第で生産性が大きく変わる時代になりました。Claude Code のような高度な AI ツールは、適切な指示を与えることで驚くほど正確な結果を返してくれます。

しかし、プロンプトを「なんとなく」書いていると、以下のような問題に直面します。

  • 期待と異なる結果が返ってくる
  • 何度も指示を出し直す必要がある
  • 出力フォーマットがバラバラで統一感がない
  • コードの品質にムラがある

プロンプト設計の 3 要素

効果的なプロンプトは、次の 3 つの要素で構成されます。

以下の図は、プロンプト設計における 3 要素の関係性を示しています。

mermaidflowchart TB
    prompt["プロンプト全体"]
    role["役割<br/>(Role)"]
    input["入力<br/>(Input)"]
    output["出力フォーマット<br/>(Output Format)"]
    result["期待通りの結果"]

    prompt --> role
    prompt --> input
    prompt --> output
    role --> result
    input --> result
    output --> result

この 3 要素を明確に定義することで、Claude Code は文脈を正確に理解し、期待通りの結果を返してくれるようになります。

要点: 役割で「誰として振る舞うか」、入力で「何を処理するか」、出力フォーマットで「どう返すか」を明確にすることが、プロンプト設計の基本です。

定番パターンの必要性

毎回ゼロからプロンプトを考えるのは非効率ですし、品質も安定しません。そこで、よく使うパターンをテンプレート化しておくことで、以下のメリットが得られます。

迅速な指示出しができ、時間を節約できます。出力品質が安定し、プロジェクト内で一貫性が保たれるでしょう。さらに、チーム内でパターンを共有することで、メンバー全員が同じ品質の結果を得られるようになります。

課題

プロンプト設計で直面する典型的な問題

Claude Code を使い始めた開発者が直面する課題は、大きく分けて 4 つあります。

1. 役割が不明確で文脈が伝わらない

「このコードをレビューしてください」とだけ伝えても、どの観点でレビューすべきか明確ではありません。セキュリティなのか、パフォーマンスなのか、可読性なのか。役割を明示しないと、AI は包括的すぎる回答を返してしまいます。

2. 入力情報が不足している

「エラーを直してください」という指示だけでは、どのファイルのどの部分を見るべきか分かりません。エラーメッセージ、該当コード、実行環境など、必要な情報が揃っていないと、AI は推測に頼らざるを得ません。

3. 出力フォーマットが指定されていない

出力形式を指定しないと、ある時はコードのみ、ある時は説明文付き、ある時は Markdown 形式と、結果がバラバラになります。後から整形する手間が発生し、効率が落ちてしまうでしょう。

4. パターンの体系化ができていない

「前回はうまくいったのに、今回は期待と違う結果になった」という経験はありませんか。これは、成功したプロンプトパターンを記録・再利用できていないことが原因です。

以下の図は、プロンプト設計における典型的な問題の流れを示しています。

mermaidflowchart TD
    start["プロンプト入力"]
    check1{"役割は<br/>明確か?"}
    check2{"入力情報は<br/>十分か?"}
    check3{"出力形式は<br/>指定されているか?"}
    bad1["曖昧な回答"]
    bad2["推測に基づく回答"]
    bad3["フォーマットが<br/>バラバラ"]
    good["期待通りの結果"]

    start --> check1
    check1 -->|No| bad1
    check1 -->|Yes| check2
    check2 -->|No| bad2
    check2 -->|Yes| check3
    check3 -->|No| bad3
    check3 -->|Yes| good

図で理解できる要点:

  • プロンプトの 3 要素(役割・入力・出力)が 1 つでも欠けると、期待と異なる結果になる
  • 各チェックポイントをクリアすることで、精度の高い結果が得られる
  • 体系的なパターン管理が、安定した品質につながる

解決策

プロンプト設計の定番パターンを体系化する

上記の課題を解決するには、プロンプトを構造化し、再利用可能なパターンとして体系化することが有効です。本セクションでは、実務で頻繁に使う定番パターンを「役割」「入力」「出力フォーマット」の 3 つの軸で整理します。

役割(Role)定義の定番パターン

役割を明確にすることで、AI がどの視点で回答すべきかが明確になります。以下は、開発現場でよく使う役割パターンです。

1. エキスパート型

特定技術領域の専門家として振る舞わせるパターンです。高度な実装や設計判断が必要な場面で使用します。

typescript// プロンプト例
`
あなたは10年以上の経験を持つTypeScript/React開発のエキスパートです。
パフォーマンスとメンテナンス性を重視した設計を行ってください。
`;

使用場面: アーキテクチャ設計、パフォーマンス最適化、複雑なロジック実装

2. レビュアー型

コードレビューやセキュリティチェックを依頼する際に使用します。批判的な視点で分析してもらうことが目的です。

typescript// プロンプト例
`
あなたは厳格なコードレビュアーです。
以下の観点でコードを評価してください:
- セキュリティ上の脆弱性
- パフォーマンスのボトルネック
- 保守性・可読性の問題
`;

使用場面: プルリクエスト前のチェック、セキュリティ監査、リファクタリング前の分析

3. チューター型

初心者への説明や、学習目的でコードを理解したい場合に使用します。段階的で丁寧な説明が得られます。

typescript// プロンプト例
`
あなたはプログラミング初心者に教える優しい先生です。
専門用語を使う際は必ず説明を加え、
段階的に理解できるよう配慮してください。
`;

使用場面: コードの動作説明、新しいライブラリの学習、チーム内の技術共有

4. アーキテクト型

システム全体の設計や、技術選定を行う際に使用します。長期的な視点での判断が必要な場面で有効です。

typescript// プロンプト例
`
あなたはシステムアーキテクトです。
スケーラビリティ、保守性、拡張性を考慮した
アーキテクチャを提案してください。
`;

使用場面: 新規プロジェクトの設計、マイクロサービス分割、技術スタック選定

5. テスター型

テストコード作成や、品質保証の観点でのチェックに使用します。

typescript// プロンプト例
`
あなたはQAエンジニアです。
エッジケースや異常系を含む
包括的なテストケースを作成してください。
`;

使用場面: ユニットテスト作成、E2E テスト設計、バグ再現手順の作成

入力(Input)フォーマットの定番パターン

入力情報を構造化することで、AI が必要な情報を漏れなく受け取れます。

1. コンテキスト + 要求パターン

背景情報と具体的な要求を明確に分離するパターンです。

typescript// プロンプト例
`
【コンテキスト】
Next.js 14のApp Routerを使用したプロジェクトです。
現在、認証機能をNextAuth.jsで実装しています。

【要求】
Google OAuthを追加実装してください。
環境変数の設定方法も含めて教えてください。
`;

このパターンは、新機能追加や設定変更の際に特に有効です。

2. 問題 + 期待動作パターン

バグ修正やトラブルシューティングで使用するパターンです。

typescript// プロンプト例
`
【問題】
APIリクエストが500エラーを返します。
エラーメッセージ: "Cannot read property 'id' of undefined"

【期待動作】
ユーザーIDを取得して、プロフィール情報を返す

【現在のコード】
[該当コードを貼り付け]
`;

問題の現象と期待する結果を明示することで、的確な解決策が得られます。

3. 制約条件付きパターン

特定の技術スタックや制約がある場合に使用します。

typescript// プロンプト例
`
【要求】
ユーザー一覧を表示するコンポーネントを実装してください。

【制約条件】
- TypeScript strictモードを使用
- React 18のuseTransitionを活用
- TailwindCSSでスタイリング
- パフォーマンスを考慮した実装
`;

制約を明示することで、プロジェクトの方針に沿った実装が得られます。

4. サンプル提示パターン

既存コードのスタイルを踏襲したい場合に使用します。

typescript// プロンプト例
`
以下のコードスタイルに従って、
新しいAPIエンドポイントを実装してください。

【既存コード例】
[参考にするコードを貼り付け]

【実装内容】
ユーザー検索機能のエンドポイント
`;

コーディング規約を守りつつ、一貫性のあるコードが生成されます。

出力(Output)フォーマットの定番パターン

出力形式を指定することで、後処理が不要になり、そのまま使える結果が得られます。

1. コードのみ出力パターン

説明不要で、すぐにコードが欲しい場合に使用します。

typescript// プロンプト例
`
以下の関数を実装してください。
説明は不要です。コードのみを出力してください。

関数名: calculateDiscount
引数: price (number), discountRate (number)
戻り値: 割引後の価格 (number)
`;

2. 段階的説明付きパターン

学習目的や、チーム共有のために詳しい説明が必要な場合に使用します。

typescript// プロンプト例
`
以下の機能を実装してください。
各ステップごとに、何をしているのか説明を加えてください。

【出力形式】
1. 処理の概要
2. ステップ1の説明
   [コードブロック]
3. ステップ2の説明
   [コードブロック]
...
`;

3. リスト形式パターン

問題点の列挙や、改善提案をまとめる際に使用します。

typescript// プロンプト例
`
このコードの問題点を指摘してください。

【出力形式】
以下の形式で箇条書きにしてください:
- 問題点1: [説明]
  修正案: [具体的な修正方法]
- 問題点2: [説明]
  修正案: [具体的な修正方法]
`;

4. 表形式パターン

技術比較や、パフォーマンス測定結果をまとめる際に使用します。

typescript// プロンプト例
`
React状態管理ライブラリの比較を行ってください。

【出力形式】
以下の表形式で出力してください:

| ライブラリ | 学習コスト | パフォーマンス | 適用場面 |
|---------|----------|------------|---------|
`;

5. JSON/YAML パターン

設定ファイルや、構造化データが必要な場合に使用します。

typescript// プロンプト例
`
Next.js用のESLint設定を作成してください。

【出力形式】
.eslintrc.json形式で出力してください。
説明はコメントとして含めてください。
`;

6. Markdown ドキュメントパターン

README 作成や、API 仕様書の生成に使用します。

typescript// プロンプト例
`
このAPIエンドポイントのドキュメントを作成してください。

【出力形式】
以下のMarkdown構造で出力してください:
- エンドポイント概要
- リクエスト仕様
- レスポンス例
- エラーハンドリング
`;

7. 図解付きパターン

アーキテクチャや処理フローを視覚的に説明する際に使用します。

typescript// プロンプト例
`
このシステムのデータフローを説明してください。

【出力形式】
以下を含めてください:
1. Mermaid図でのフロー図
2. 各ステップの説明文
3. 注意点やベストプラクティス
`;

以下の図は、出力フォーマット選択の判断フローを示しています。

mermaidflowchart TD
    start["出力内容の決定"]
    q1{"説明は<br/>必要か?"}
    q2{"構造化<br/>データか?"}
    q3{"視覚的な<br/>理解が必要か?"}
    q4{"比較・一覧<br/>表示か?"}

    out1["コードのみ"]
    out2["段階的説明+コード"]
    out3["JSON/YAML"]
    out4["図解+説明"]
    out5["表形式"]
    out6["リスト形式"]

    start --> q1
    q1 -->|No| out1
    q1 -->|Yes| q2
    q2 -->|Yes| q3
    q2 -->|No| q4
    q3 -->|Yes| out4
    q3 -->|No| out2
    q4 -->|Yes| out5
    q4 -->|No| out6

図で理解できる要点:

  • 説明の必要性を最初に判断する
  • データの性質(構造化/非構造化)で分岐する
  • 視覚的理解が必要なら図解を選択する
  • 適切なフォーマットを選ぶことで、後処理が不要になる

具体例

実践的なプロンプトテンプレート集

ここからは、実務でそのまま使えるプロンプトテンプレートを、シーン別に紹介します。コピーして、自分のプロジェクトに合わせてカスタマイズしてください。

シーン 1: 新機能の実装

React Hooks を使った状態管理機能を実装する例です。

typescript// プロンプトテンプレート
`
【役割】
あなたは経験豊富なReact開発者です。
パフォーマンスとメンテナンス性を重視した実装を行ってください。

【コンテキスト】
Next.js 14 (App Router) + TypeScriptのプロジェクトです。
Zustandで状態管理を行っています。

【要求】
ショッピングカート機能を実装してください。
以下の機能を含めてください:
- 商品の追加・削除
- 数量の変更
- 合計金額の計算
- LocalStorageへの永続化

【制約条件】
- TypeScript strictモード使用
- カスタムHookとして実装
- 型安全性を確保

【出力形式】
1. 型定義
2. Zustandストアの実装
3. カスタムHookの実装
4. 使用例
各セクションごとにコードブロックを分けて出力してください。
`;

このテンプレートは、役割・コンテキスト・要求・制約・出力形式のすべてを含んでいます。これにより、期待通りの実装が一度で得られます。

シーン 2: コードレビュー依頼

既存コードの問題点を洗い出す例です。

typescript// プロンプトテンプレート
`
【役割】
あなたは厳格なコードレビュアーです。
セキュリティとパフォーマンスの観点から詳細にチェックしてください。

【レビュー対象】
[該当コードを貼り付け]

【レビュー観点】
- セキュリティ脆弱性(SQLインジェクション、XSSなど)
- パフォーマンスのボトルネック
- メモリリーク の可能性
- エラーハンドリングの不足
- 型安全性の問題

【出力形式】
以下の形式で出力してください:

## 重大な問題 (修正必須)
- 問題点: [説明]
  該当箇所: [行番号]
  修正案: [具体的なコード]

## 改善提案 (推奨)
- 提案: [説明]
  該当箇所: [行番号]
  改善案: [具体的なコード]

## 良い点
- [評価できる点]
`;

このテンプレートを使うことで、体系的なレビュー結果が得られます。

シーン 3: デバッグとエラー修正

エラーが発生した際の調査・修正を依頼する例です。

typescript// プロンプトテンプレート
`
【役割】
あなたはデバッグの専門家です。
根本原因を特定し、再発防止策も提案してください。

【問題】
APIリクエスト実行時に以下のエラーが発生します。

エラーコード: TypeError
エラーメッセージ: Cannot read properties of undefined (reading 'data')

【発生条件】
- ユーザーがログインしていない状態
- プロフィールページにアクセス
- 認証トークンの有効期限切れ時

【現在のコード】
[該当コードを貼り付け]

【環境】
- Next.js 14.0.4
- Node.js 20.10.0
- TypeScript 5.3.3

【期待動作】
認証エラー時は、ログインページにリダイレクトされる

【出力形式】
1. 原因分析(なぜこのエラーが起きるのか)
2. 修正コード
3. テストケース(このエラーを再現・防止するテスト)
4. 再発防止策(同様のエラーを防ぐための設計改善)
`;

エラーコードと発生条件を明示することで、的確な解決策が得られます。

シーン 4: テストコード生成

ユニットテストを自動生成する例です。

typescript// プロンプトテンプレート
`
【役割】
あなたはテスト駆動開発を重視するQAエンジニアです。
エッジケースを含む包括的なテストを作成してください。

【テスト対象】
[テスト対象の関数やコンポーネントを貼り付け]

【テストフレームワーク】
- Jest
- React Testing Library
- MSW (APIモック用)

【テスト要件】
以下をカバーするテストケースを作成してください:
- 正常系(期待通りの動作)
- 異常系(エラーハンドリング)
- 境界値テスト
- エッジケース

【出力形式】
1. テストファイルの全体構造
2. 各テストケースの説明
3. モックやフィクスチャの定義
4. テストコード

各テストケースには、何を検証しているのかコメントを付けてください。
`;

このテンプレートにより、カバレッジの高いテストコードが生成されます。

シーン 5: リファクタリング提案

既存コードの改善案を得る例です。

typescript// プロンプトテンプレート
`
【役割】
あなたはリファクタリングの専門家です。
可読性とメンテナンス性を向上させる提案をしてください。

【対象コード】
[リファクタリング対象のコードを貼り付け]

【現在の問題】
- 関数が長すぎて理解しづらい
- 責務が分離されていない
- 重複したロジックが複数箇所にある

【リファクタリング方針】
- 単一責任の原則に従う
- 関数は1つの処理のみを行う
- DRY原則(Don't Repeat Yourself)を適用
- 型安全性を保つ

【出力形式】
1. リファクタリング前後の比較表
2. リファクタリング後のコード(段階的に)
3. 変更点の説明
4. メリット・デメリット

【表形式の例】
| 観点 | リファクタリング前 | リファクタリング後 | 改善点 |
|------|---------------|---------------|-------|
`;

段階的なリファクタリング手順が示されるため、安全に改善を進められます。

シーン 6: ドキュメント作成

API エンドポイントのドキュメントを生成する例です。

typescript// プロンプトテンプレート
`
【役割】
あなたはテクニカルライターです。
開発者が迷わず使えるような、わかりやすいドキュメントを作成してください。

【対象API】
[APIのコードまたは仕様を貼り付け]

【ドキュメント要件】
以下を含めてください:
- エンドポイントの概要
- 認証方法
- リクエストパラメータ
- レスポンス例(成功・失敗両方)
- エラーコード一覧
- 使用例(curlコマンド、JavaScriptコード)

【出力形式】
Markdown形式で、以下の構造で出力してください:

# エンドポイント名
## 概要
## 認証
## リクエスト
### パラメータ
### ヘッダー
### ボディ
## レスポンス
### 成功時
### エラー時
## エラーコード
## 使用例

コードブロックには言語指定を必ず含めてください。
`;

このテンプレートで、統一感のある API ドキュメントが生成されます。

シーン 7: アーキテクチャ設計

システム全体の設計を依頼する例です。

typescript// プロンプトテンプレート
`
【役割】
あなたはシステムアーキテクトです。
スケーラビリティと保守性を考慮した設計を提案してください。

【要件】
ECサイトのバックエンドシステムを設計します。

【機能要件】
- ユーザー認証・認可
- 商品管理
- 注文処理
- 決済連携
- 在庫管理

【非機能要件】
- 1000req/secの負荷に耐える
- 99.9%の可用性
- セキュリティ基準(PCI DSS準拠)

【技術スタック】
- Next.js 14 (フロントエンド)
- Node.js + Express (API)
- PostgreSQL (データベース)
- Redis (キャッシュ)
- AWS (インフラ)

【出力形式】
1. システム全体のアーキテクチャ図(Mermaid)
2. 各コンポーネントの役割説明
3. データフロー図
4. セキュリティ対策
5. スケーリング戦略
6. 技術選定理由

図は必ずMermaid形式で出力してください。
`;

以下は、上記テンプレートで生成されるアーキテクチャ図のイメージです。

mermaidflowchart TB
    client["クライアント<br/>(Next.js)"]
    cdn["CDN"]
    alb["Application<br/>Load Balancer"]
    api1["API Server 1<br/>(Node.js)"]
    api2["API Server 2<br/>(Node.js)"]
    redis["Redis<br/>(Cache)"]
    db_primary["PostgreSQL<br/>(Primary)"]
    db_replica["PostgreSQL<br/>(Replica)"]
    payment["決済サービス<br/>(Stripe)"]

    client -->|HTTPS| cdn
    cdn --> alb
    alb --> api1
    alb --> api2
    api1 --> redis
    api2 --> redis
    api1 --> db_primary
    api2 --> db_replica
    api1 -->|決済処理| payment
    db_primary -.レプリケーション.-> db_replica

図で理解できる要点:

  • クライアントと API の間に CDN とロードバランサーを配置
  • API サーバーは水平スケール可能な構成
  • Redis でキャッシュを活用し、データベース負荷を軽減
  • データベースはプライマリ・レプリカ構成で可用性を確保
  • 外部決済サービスとの連携を明示

シーン 8: パフォーマンス最適化

既存コードのパフォーマンス改善を依頼する例です。

typescript// プロンプトテンプレート
`
【役割】
あなたはパフォーマンスチューニングの専門家です。
計測可能な改善を提案してください。

【問題】
ページの初期表示が3秒以上かかり、ユーザー体験が悪化しています。

【現在のコード】
[該当コードを貼り付け]

【計測結果】
- First Contentful Paint: 2.5秒
- Largest Contentful Paint: 3.2秒
- Time to Interactive: 3.8秒

【最適化目標】
- LCPを1.5秒以下に改善
- TTIを2秒以下に改善

【出力形式】
1. ボトルネックの特定
2. 優先順位付き改善提案リスト
   - 改善項目
   - 期待効果
   - 実装難易度
   - 実装コード
3. ビフォー・アフター比較表
4. 計測方法

表形式で優先順位を明示してください。
`;

このテンプレートにより、具体的な数値目標を持った改善案が得られます。

プロンプト組み合わせの実践例

複数のパターンを組み合わせることで、より高度な指示が可能です。

typescript// 複合プロンプト例
`
【役割】
あなたはシニアフルスタックエンジニアです。
設計・実装・テストをすべて考慮してください。

【段階的な作業依頼】
以下を順番に実行してください:

1. 【設計フェーズ】
   - データモデル設計(ER図をMermaidで)
   - API設計(エンドポイント一覧を表形式で)

2. 【実装フェーズ】
   - バックエンドAPI実装
   - フロントエンドコンポーネント実装
   - エラーハンドリング実装

3. 【テストフェーズ】
   - ユニットテスト
   - 統合テスト
   - E2Eテストのシナリオ

【各フェーズの出力形式】
- 設計: 図 + 説明文
- 実装: コードブロック + コメント
- テスト: テストコード + カバレッジ目標

【制約条件】
- TypeScript strictモード
- RESTful API設計原則に従う
- セキュリティベストプラクティス適用
`;

このような複合プロンプトは、プロジェクトの初期セットアップや、機能の一括実装に有効です。

まとめ

本記事では、Claude Code で効果的なプロンプトを設計するための定番パターンを、チートシート形式でまとめました。

プロンプト設計の 3 要素である「役割」「入力」「出力フォーマット」を明確にすることで、期待通りの結果が得られるようになります。役割定義では、エキスパート型・レビュアー型・チューター型・アーキテクト型・テスター型の 5 パターンを使い分けることが重要です。

入力フォーマットでは、コンテキストと要求を分離し、制約条件やサンプルを提示することで、より正確な指示が可能になりました。出力フォーマットでは、コードのみ・段階的説明付き・リスト形式・表形式・JSON/YAML・Markdown・図解付きの 7 パターンを、目的に応じて使い分けることが効果的です。

実践的なテンプレート集として、新機能実装・コードレビュー・デバッグ・テスト生成・リファクタリング・ドキュメント作成・アーキテクチャ設計・パフォーマンス最適化の 8 シーンを紹介しました。これらをベースに、自分のプロジェクトに合わせてカスタマイズしていくことで、開発効率が大きく向上するでしょう。

プロンプトエンジニアリングは、AI 時代の重要なスキルです。定番パターンを身につけることで、Claude Code を最大限に活用し、高品質なコードを効率的に生産できるようになります。本記事のテンプレートをぜひ日々の開発に取り入れて、生産性向上を実感してください。

最後に、プロンプト設計は一度作って終わりではありません。チーム内で成功パターンを共有し、プロジェクトごとに改善を重ねていくことで、さらに洗練されたテンプレート集が育っていきます。ぜひ、あなた独自のプロンプトライブラリを構築してみてください。

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