開発AIエディタ比較 Github Copilot vs Cursor vs Cline vs devin!それぞれの特徴や料金の違いを比較してみた

開発現場におけるAIエディタの選定は、今や生産性を左右する重大なテーマです。
この記事では「GitHub Copilot」「Cursor」「Cline」「Devin」の4つの注目AI開発支援ツールを徹底比較し、それぞれの特徴、得意分野、料金体系、導入方法、適用シナリオを比較してまとめてみました。
開発AIエディタの比較早見表
項目 | GitHub Copilot | Cursor | Cline(最新版) | Devin |
---|---|---|---|---|
提供元 | GitHub (Microsoft) | Cursor.sh | LINE(OSSとして公開) | Cognition Labs |
提供エンジン | GPT-4 Turbo | Claude / Gemini / GPT-4 + 独自強化 等 | Claude / Gemini等 | Devin独自LLM + 実行環境 |
メイン機能 | AIコード補完 | AI IDE + コード操作・生成 | チャット+マルチエージェント型支援 | 自動開発エージェント |
導入方法 | VSCode拡張機能 | 専用IDEダウンロード | VSCode拡張マーケットプレイス経由 | 招待制+WebベースUI |
日本語対応 | △ 一部対応 | ◎ DeepL翻訳ベース | ◎ 完全日本語対応(Claude強み) | △ 英語中心、開発中 |
IDE統合 | ◎ VSCode / JetBrains | ◎ VSCode拡張互換 | ◎ VSCode拡張として利用 | △ 統合なし |
学習機能 | △(セッションベース) | ◎(ドキュメントと履歴最適化) | ◎ Plan/Actモードで履歴活用 | ◎ 自己学習+自動判断 |
コスト(月額) | $10〜(GitHub課金) | $20/月(Pro) | 拡張機能は無料/API使用料別途 | $20〜/月(Core) |
評価軸の設定
本記事では、以下の6つの観点で比較を行います。
評価軸 | 説明 |
---|---|
開発速度 | コード補完や修正・再構成により、どれだけ高速に開発を進められるか |
コスト | 初期コストや継続的なサブスクリプション費用、チーム利用時のコストパフォーマンス |
UX・導入性 | UI/UXの親しみやすさ、導入の簡易さ、サポートの充実度 |
多言語対応 | 日本語を含む非英語圏開発者への配慮、翻訳精度や文脈理解力 |
独自機能 | 他ツールにない特色、ワークフローとの親和性 |
実行環境連携 | 開発からビルド・実行・テストまでの自動化対応 |
各ツールの特徴紹介
GitHub Copilot
GitHub Copilot は、GitHubとMicrosoftが提供するAIコード補完ツールです。 OpenAI Codexをベースに、IDEに統合することでリアルタイムにコード補完や提案を行います。
導入方法
- VSCode拡張機能ストアから「GitHub Copilot」を検索してインストール
- GitHubアカウントと連携し、ライセンスをアクティベート
活用例
- Copilotがコメントや関数の文脈から、次のコードを予測して提案します
強み
- 学習コストが低く、初心者にも馴染みやすい
- 英語のコメントを元にコード生成可能
弱み
- 日本語対応がまだ限定的
- 文脈理解は浅く、長い関数や複雑な構造には弱い
Cursor
Cursor は、VSCodeベースで構築された独自IDEにAI機能を統合した次世代開発環境です。 自然言語で「この関数をReactにリファクタして」などと話しかけることで、コードの大規模な編集も対話的に実行できます。
導入手順
- 公式サイトからCursor IDEをダウンロード
- GitHubアカウントと連携し、APIキーを設定
活用例
- テストコードやREADMEの自動生成
- コードの整理や型推論の説明
- ESLintの修正提案
強み
- 日本語文脈に強く、指示も自然に伝わる
- PR提案やレビューなどチーム開発にも向く
弱み
- 高度な機能はProプラン限定
- 初回セットアップにやや時間がかかる
Cline
Cline は、LINEのエンジニアチームにより開発されたチャット形式のAI支援ツールです。 Web UIまたはローカル起動で、自然な日本語でのやり取りを通じてコード変換や説明が可能です。
導入方法
- VSCode拡張機能ストアから「Cline」を検索してインストール
活用例
- TypeScript型定義の生成
- JSON整形やフォーマット変換
- 初学者向けのコード解説・翻訳
強み
- 日本語対応が非常に強力
- OSSとして自由に拡張可能
弱み
- エディタ統合がなく、手動コピーが必要
- 補完機能や構文理解には非対応
Devin
Devin は、開発作業を「自動で実行するAIエージェント」として設計された新世代ツールです。 自然文でタスクを指示することで、リポジトリのクローン・実装・テスト・デプロイまで一貫して遂行します。
導入方法
- 公式サイトで招待申請(ベータ制)
- 承認後、ブラウザベースでプロジェクトを作成
活用例
- プロトタイプアプリの一括生成
- バグ調査から修正・PRの自動作成
- CI/CDパイプライン構成
強み
- 人間エンジニアに近いプロジェクト遂行能力
- コマンドを並列的に実行できる
弱み
- 実行に時間がかかることがある
- 誤作動の検証が必要(過信に注意)
項目別の比較
比較項目 | GitHub Copilot | Cursor | Cline(最新版) | Devin |
---|---|---|---|---|
コード補完精度 | ◎ | ◎ | ○(簡易補完) | ◎(プロジェクト単位で自動生成) |
リファクタ機能 | △ | ◎(自然言語リファクタ) | ○(提案ベース) | ◎(自動修正と提案) |
ドキュメント生成 | △ | ◎(README / 関数説明) | ○(要約・翻訳対応) | ◎(手順と仕様の自動ドキュメント) |
テスト支援 | △ | ◎(テストケース生成支援) | × | ◎(テストの実装・実行) |
ターミナル・外部操作連携 | × | ○(一部プレビュー) | ◎(ターミナル+ブラウザ操作) | ◎(全自動制御) |
エージェント能力 | × | △(補助的な提案) | ◎(マルチエージェント対応) | ◎(Plan→Execute方式) |
拡張性・OSS活用 | × | △(拡張あり) | ◎(OSSで自由に拡張可) | ×(クローズドベータ) |
実際の適用シナリオごとの評価
シナリオ | 最適ツール | 解説 |
---|---|---|
日常のコード補完 | Copilot | 軽く導入でき、シンプルな作業支援に強み。初心者にも最適 |
開発初期の設計〜実装 | Cursor | ファイル構造設計・リファクタ・コード生成において柔軟に活躍 |
ノンエンジニアが仕様作成支援 | Cline | チャットベースで日本語に強く、定義書や型設計の確認に向いている |
完全自動でプロトタイプ生成 | Devin | 自律実行と手順の構成ができるため、検証フェーズに向いている |
選ぶべき基準と判断の視点
- 作業スタイルに合わせる:「手動+支援」か「完全自動化」かでツールの方向性が異なる
- プロジェクトの規模: Copilotは小規模、Cursorは中〜大規模、Devinはプロジェクト全体を対象とした自動化に向く
- チーム体制: Cursorはレビュー・共有に強く、Clineは非エンジニアとの橋渡しとして活躍
注意点・落とし穴
- 生成コードの品質担保: 出力されたコードが正しいとは限らない。常にレビューを
- 情報漏洩リスク: ソースコードやAPIキーが送信される可能性があるため注意(特にCopilot)
- 過信によるスキル劣化: AI依存により思考力が低下しないよう、目的意識を持って使う
他の選択肢と候補に上がらなかった理由
ツール名 | 除外理由 |
---|---|
Tabnine | 精度・日本語対応に課題あり |
CodeWhisperer(AWS) | 英語前提のUIが多く、統合もAWS中心 |
Cody(Sourcegraph) | ソース探索には便利だが、AIエディタとしてはやや限定的 |
まとめ
利用目的 | 推奨ツール |
---|---|
軽量な補完で作業効率アップ | GitHub Copilot |
開発フェーズごとの柔軟な対応 | Cursor |
非エンジニアとの連携・翻訳支援 | Cline |
プロジェクトの全自動化 | Devin |
AIエディタは日々進化しています。 利用中のフィードバックを元に、適切な選択・乗り換え・併用が重要です。
まずは一つ使ってみて、必要に応じて別ツールを取り入れていくのが現実的です。公式情報やユーザーコミュニティのアップデートも継続的にチェックし、自分やチームに最適なAI開発支援ツールを見つけていきましょう。