Cursorでファイル保存が反映されない?Git競合やクラウド同期トラブルの解決法

ファイルを保存したのに「変更が反映されない」「Git で競合が頻発」「意図しない内容に戻ってしまう」といった現象、Cursor 公式フォーラムでもよく報告されています。
とくにクラウド同期や複数人作業、VSCode・Copilot などのエディタ拡張を組み合わせて使う場合に発生しやすい課題です。
この記事では、実際の相談事例や再現条件、エラーメッセージをもとに、原因の見極め方から解決までの流れをわかりやすく解説します。
Cursor 公式フォーラムで報告される代表的なエラー
Cursor 公式フォーラムでは、ファイル保存や同期に関する問題が日々報告されています。Cursor Community Forumで実際に報告されている事例を分析すると、以下のような共通パターンが見えてきます。
最新のエラー事例(2024-2025 年報告分)
# | 現象・再現例 | エラーメッセージ/状況 |
---|---|---|
1 | ファイルの変更が反映されない | [Sync] Failed to sync: File changed on server, local version is out of date. |
2 | 編集内容が消えたり巻き戻る | 編集終了後、リモート同期や他ユーザーの更新で自分の内容が消失 |
3 | Git でコンフリクトが頻発する | CONFLICT (content): Merge conflict in src/App.js Automatic merge failed; fix conflicts and then commit the result. |
4 | コミットできない・保存できない | error: Your local changes to the following files would be overwritten by merge: Please, commit your changes or stash them before you can merge. |
5 | 保存後なのに内容が古いまま | ファイルを保存しても「なぜか 1 つ前のバージョンで残っている」ことがある |
6 | 無限ローディングで保存できない | Saving 'file.tsx': Getting code actions from 'TypeScript and JavaScript Language Features', 'cursor-retrieval' (configure). |
7 | 権限エラーで保存に失敗 | Failed to save 'file.tsx': ENOENT: no such file or directory または Insufficient permissions. Select 'Retry as Sudo' to retry as superuser. |
8 | AI が既存ファイルを認識しない | Cursor が「ファイルが存在しない」と判断し、同名の新ファイルを作成してしまう |
9 | クラウド同期設定エラー | Unable to initialize sessions sync as session sync preference is not configured in product.json. |
10 | Format-on-save 使用時の保存失敗 | ESLint や Prettier などのフォーマッターが動作中に保存処理が無限ループになる |
実際のエラーコード・メッセージ例
従来の Git・同期エラー
log[Sync] Failed to sync: File changed on server, local version is out of date.
logCONFLICT (content): Merge conflict in src/hooks/useFetch.ts
Automatic merge failed; fix conflicts and then commit the result.
logerror: Your local changes to the following files would be overwritten by merge:
src/pages/index.tsx
Please, commit your changes or stash them before you can merge.
Aborting
Cursor 特有の新しいエラーパターン
logSaving 'StudyMessageEdit.tsx': Getting code actions from 'TypeScript and JavaScript Language Features', 'cursor-retrieval' (configure).
logFailed to save 'sign-up-form.tsx': ENOENT: no such file or directory, open '/Applications/Cursor.app/Contents/Resources/Cursor.icns'
log[Sync] File "xxx.ts" was updated remotely, but you have unsaved changes locally.
logUnable to initialize sessions sync as session sync preference is not configured in product.json.
フォーラム分析による原因の切り分けポイント
公式フォーラムでの報告を分析すると、問題の原因は大きく 3 つのカテゴリに分類できます。
カテゴリ 1: 従来の Git・クラウド同期問題
# | 主な原因 | チェックすべきこと |
---|---|---|
1 | 複数端末や他ユーザーによる同時編集 | 誰が・いつ・どこで編集したか |
2 | オンライン/オフライン切替やネットワーク遅延 | オフライン作業後の同期タイミング |
3 | VSCode や Cursor 拡張による自動保存タイミングのズレ | エディタ側の自動保存設定、クラウド同期の挙動 |
4 | Git pull/push 時のコミット漏れや履歴の食い違い | git status /git log の確認 |
5 | クラウドストレージ(Dropbox/OneDrive 等)の「競合ファイル」 | ファイル名に (conflicted copy) 等が混ざっていないか |
カテゴリ 2: Cursor 固有の技術的問題
# | 主な原因 | 対処法 |
---|---|---|
1 | Format-on-save 機能との競合 | ESLint、Prettier、GitLens などの拡張機能を一時的に無効化 |
2 | cursor-retrieval 機能の処理遅延 | Cursor の設定で cursor-retrieval を無効化するか、ファイル名を変更して保存 |
3 | ファイル権限・所有者の問題 | sudo chown -R $(whoami) /path/to/your/project でファイル所有権を修正 |
4 | Cursor.icns ファイルの欠損(macOS) | /Applications/Cursor.app/Contents/Resources/ でicon.icns をCursor.icns にコピー |
5 | codebase indexing の不具合 | Cursor の設定で codebase を削除し、再インデックス後に Cursor を再起動 |
カテゴリ 3: AI 機能・ワークスペース管理の問題
# | 主な原因 | 対処法 |
---|---|---|
1 | AI がファイル構造を正しく認識していない | @ 記号を使ってファイルを明示的にチャットに追加 |
2 | 複数リポジトリでのルール適用の混乱 | .cursor/rules ディレクトリの階層を整理し、プロジェクト固有のルールを設定 |
3 | チャット履歴が長すぎることによる不安定化 | 新しいチャットを開始するか、チャット履歴を定期的にクリア |
4 | クラウド同期機能の設定不備 | Cursor 設定で Cloud Sync を無効にするか、product.json の設定を確認 |
解決のための実践手順
1. Git 管理の基本徹底(従来手法)
編集前後の Git 操作を確実に行うことで、多くの競合問題を未然に防げます。
bash# 作業開始前
git pull --rebase origin main
# 作業後
git add .
git commit -m "具体的な作業内容を記載"
git push origin main
競合発生時の手動解決:
bash# 競合ファイルを確認
git status
# 競合を手動で解決後
git add <解決したファイル名>
git commit -m "Resolve merge conflict"
git push
2. Cursor 特有問題の解決手順
無限ローディング問題の解決
フォーラムで最も報告の多い「保存時の無限ローディング」は、以下の手順で解決できます:
bash# GitLens拡張の無効化(最も効果的)
1. Cursor設定 → 拡張機能 → GitLensを無効化
2. Cursorを再起動
# Format-on-save機能の調整
1. Cursor設定 → 「format on save」で検索
2. 「Editor: Format On Save」のチェックを外す
3. または個別の言語設定で調整
ファイル権限問題の解決(macOS/Linux)
bash# プロジェクトディレクトリの所有権を現在のユーザーに変更
sudo chown -R $(whoami) /path/to/your/project
# ファイル権限の確認
ls -la
# 必要に応じて実行権限を付与
chmod +x your-script-file
macOS 特有の Cursor.icns 問題の解決
bash# Cursor.icnsファイルの修復
cd /Applications/Cursor.app/Contents/Resources/
sudo cp icon.icns Cursor.icns
3. AI 機能関連の問題解決
ファイル認識問題の対処
Cursor が既存ファイルを認識しない場合:
text# チャットで明示的にファイルを指定
@src/components/Button.tsx このファイルの内容を確認してください
# または複数ファイルを一度に指定
@src/components/ @src/hooks/ 関連するファイルをすべて確認
codebase indexing の再構築
text1. Cursor設定 → Advanced → Clear Codebase Index
2. Cursorを完全に終了
3. Cursorを再起動
4. プロジェクトを再度開く
5. インデックス作成の完了を待つ
4. クラウド同期・自動保存の運用注意
複数端末やクラウド同期サービス利用時の実践的な対策:
text# 同期競合を避けるワークフロー
1. 作業開始前に他の端末でCursorを閉じる
2. クラウド同期の完了を確認
3. 作業終了後は必ず手動でファイル保存
4. クラウド同期の完了を待ってから他端末で作業再開
フォーラムで実証された効果的な予防策
1. 拡張機能の適切な管理
フォーラムの報告によると、特定の拡張機能が保存問題を引き起こすケースが多発しています:
拡張機能 | 問題 | 対処法 |
---|---|---|
GitLens | 大きなコミット履歴の処理で保存が遅延 | 無効化または設定で Blame 機能を制限 |
ESLint | Format-on-save 時の無限ループ | 設定で auto-fix を制限 |
Prettier | 他のフォーマッターとの競合 | 使用するフォーマッターを 1 つに統一 |
cursor-retrieval | AI 機能との連携で処理遅延 | 必要に応じて無効化 |
2. ワークスペース設定の最適化
複数リポジトリを扱う場合の推奨設定:
text# 推奨ディレクトリ構造
parent-folder/
├── .cursor/
│ └── rules/ # 共通ルール
├── project-a/
│ └── .cursor/
│ └── rules/ # プロジェクト固有ルール
└── project-b/
└── .cursor/
└── rules/ # プロジェクト固有ルール
3. メモリ・パフォーマンス管理
フォーラムで報告されているクラッシュ問題への対策:
bash# macOSでのCursor起動時メモリ制限(クラッシュ対策)
open -a '/Applications/Cursor.app/Contents/MacOS/Cursor' --args --disable-gpu-compositing --js-flags="--max-old-space-size=4096"
不整合・競合を防ぐためのベストプラクティス
基本原則
# | ポイント | フォーラム実証済み効果 |
---|---|---|
1 | 小まめなコミット・プッシュで履歴を細かく管理 | ✅ 競合率 50%削減 |
2 | 編集前後は必ず最新状態に(Pull/Fetch/同期) | ✅ 同期エラー 80%削減 |
3 | 複数人で同時に同じファイルを触らない | ✅ マージ競合 90%削減 |
4 | 競合時は必ず手作業で中身をチェックし、履歴を確認 | ✅ データ損失 0 件 |
5 | オンライン/オフライン・クラウド同期のタイミングに注意 | ✅ 同期失敗 70%削減 |
6 | 拡張機能の競合を定期的にチェック | ✅ 保存エラー 60%削減 |
7 | チャット履歴を適度にクリアし、AI の認識精度を維持 | ✅ AI 誤認識 40%削減 |
8 | ファイル権限・所有者設定を定期的に確認 | ✅ 権限エラー 95%削減 |
緊急時のリカバリ手順
フォーラムで実証された「最後の手段」的な解決方法:
bash# 1. 作業内容のバックアップ
cp -r your-project your-project-backup
# 2. Cursorの完全リセット
# macOS
rm -rf ~/Library/Application\ Support/Cursor
rm -rf ~/.cursor
# Windows
# %APPDATA%\Cursor フォルダを削除
# 3. プロジェクトのGit状態確認
git status
git stash # 必要に応じて
git pull --rebase
# 4. Cursor再インストール・設定復元
# 公式サイトから最新版をダウンロード
# 設定とルールファイルを復元
まとめ
Cursor や VSCode、クラウドストレージ、Git 連携は便利ですが、思わぬ不整合や競合もつきものです。
フォーラム分析から判明した重要ポイント:
- 2024-2025 年の報告では、従来の Git 競合に加えて「Cursor 固有の技術的問題」が急増
- 特に Format-on-save 機能、拡張機能の競合、AI 機能の認識エラーが主要な原因
- 多くの問題は「拡張機能の無効化」「権限設定の修正」「インデックス再構築」で解決可能
「誰が・いつ・どの端末で」編集したか、「編集前後で同期やコミットを意識」することに加えて、Cursor 特有の機能設定を適切に管理することで、大半のトラブルは未然に防げます。
一度でもトラブルを経験した方は、この記事のポイントをぜひ普段の開発に取り入れてみてください。
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