Obsidian Publish と GitHub Pages/Hugo:公開ワークフローの最適解を探る
Obsidian でメモを書き溜めたら、次は「どうやって公開するか」が気になりますよね。公式の Obsidian Publish はワンクリックで公開できる手軽さが魅力ですが、月額料金がかかります。一方、GitHub Pages と Hugo を組み合わせれば無料で運用できますが、セットアップには少し手間がかかるのも事実です。
本記事では、Obsidian のコンテンツを Web 公開する際の代表的な選択肢である「Obsidian Publish」と「GitHub Pages/Hugo」を徹底比較します。それぞれの特徴、メリット・デメリット、適したユースケースを整理し、あなたのワークフローに最適な公開方法を見つけるお手伝いをいたします。
背景
Obsidian とコンテンツ公開のニーズ
Obsidian は Markdown ベースのナレッジベースツールとして、個人のメモから技術ドキュメント、ブログ記事の下書きまで幅広く活用されています。ローカルファイルで管理できる安心感と、リンク・タグによる柔軟な情報整理が人気の理由です。
しかし、Obsidian 単体では「書いた内容を Web で公開する」機能は備わっていません。社内ドキュメントを共有したい、技術ブログを運営したい、ポートフォリオサイトを作りたいといったニーズに応えるには、何らかの公開手段が必要になります。
主な公開手段の選択肢
Obsidian のコンテンツを Web 公開する方法は大きく分けて以下の 3 つです。
| # | 公開方法 | 概要 |
|---|---|---|
| 1 | Obsidian Publish | 公式の有料サービス。ボタン一つで公開可能 |
| 2 | 静的サイトジェネレーター | Hugo、Jekyll、Gatsby などでビルドし、GitHub Pages などにホスティング |
| 3 | カスタムソリューション | Next.js、Astro など自由度の高いフレームワークで独自構築 |
本記事では、最も人気の高い「Obsidian Publish」と「GitHub Pages/Hugo」の 2 つに焦点を当てて比較していきます。
公開ワークフローの全体像
以下の図は、Obsidian からコンテンツを公開するまでの基本的なフローを示しています。
mermaidflowchart TD
writer["執筆者"] -->|Markdown 作成| obsidian["Obsidian<br/>ローカルファイル"]
obsidian -->|公開方法の選択| choice{公開手段}
choice -->|有料・簡単| publish["Obsidian Publish"]
choice -->|無料・要設定| static["静的サイト<br/>ジェネレーター"]
publish --> cloud["Obsidian Cloud"]
cloud --> web1["公開サイト"]
static --> build["ビルド処理<br/>Hugo/Jekyll 等"]
build --> hosting["GitHub Pages<br/>Netlify 等"]
hosting --> web2["公開サイト"]
この図からわかるように、Obsidian Publish は「執筆 → 公開」のステップが少なく、静的サイトジェネレーターは「ビルド → ホスティング」の工程が追加される点が大きな違いです。
課題
Obsidian Publish の課題
コスト面での負担
Obsidian Publish は 月額 $8(年払いで約 $96) の利用料が発生します。個人のブログ運営や趣味のドキュメント公開にとっては、継続的なコストが負担になることがあります。
特に以下のような場合は、コストが課題となるでしょう。
- 複数のサイトを運営したい(サイトごとに課金)
- 学生や趣味で始めたい(予算が限られる)
- 試験的に使ってみたい(短期間の利用)
カスタマイズの制約
Obsidian Publish はシンプルさを重視した設計のため、デザインやレイアウトのカスタマイズには限界があります。CSS のカスタマイズは可能ですが、テンプレート構造そのものを変更することはできません。
以下のような要望には対応しきれない場合があります。
- 独自のナビゲーション構造を実装したい
- コメント機能や検索機能を拡張したい
- Google Analytics 以外の分析ツールを組み込みたい
- SEO 最適化を細かくコントロールしたい
データの所在とポータビリティ
Obsidian Publish では、公開データは Obsidian のクラウドサーバーに保存されます。ローカルファイルは手元に残りますが、公開サイトそのもののバックアップや移行は、Obsidian のサービスに依存する形になります。
GitHub Pages/Hugo の課題
セットアップの複雑さ
GitHub Pages と Hugo を組み合わせる場合、以下のような初期セットアップが必要です。
| # | セットアップ項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | Hugo のインストール | ローカル環境への Hugo CLI のセットアップ |
| 2 | テーマの選定と設定 | 数百種類のテーマから選択、設定ファイルの編集 |
| 3 | GitHub リポジトリ作成 | ソースコード管理用のリポジトリ準備 |
| 4 | GitHub Actions 設定 | 自動ビルド・デプロイのワークフロー構築 |
| 5 | カスタムドメイン設定 | DNS 設定、HTTPS 証明書の設定(オプション) |
初めての方には、これらの工程が高いハードルに感じられることがあります。特に Git や CLI ツールに不慣れな場合、つまづきやすいポイントが多くなります。
運用・保守の負担
Hugo + GitHub Pages の構成では、以下のような継続的な運用作業が発生します。
- Hugo のバージョン管理: 新バージョンへのアップデート、互換性の確認
- テーマの更新: テーマの更新に伴う設定変更、カスタマイズの調整
- GitHub Actions のメンテナンス: ワークフローのエラー対応、依存パッケージの更新
- ビルドエラーの対処: Markdown の記法ミス、設定ファイルの不整合など
Obsidian Publish では自動的に処理される部分を、自分で管理する必要があるため、技術的な知識と時間が求められます。
Obsidian との同期作業
Obsidian の Vault(ノート保管庫)と Hugo のコンテンツディレクトリは、別々の場所に存在します。そのため、以下のような作業が必要になります。
mermaidflowchart LR
vault["Obsidian Vault<br/>ローカルフォルダ"] -->|手動コピー| content["Hugo content/<br/>ディレクトリ"]
content -->|git add/commit| repo["GitHub<br/>リポジトリ"]
repo -->|GitHub Actions| build["Hugo ビルド"]
build --> pages["GitHub Pages<br/>公開サイト"]
この図が示すように、Obsidian で執筆した内容を Hugo のディレクトリにコピーし、Git でコミット・プッシュするという複数のステップが発生します。プラグインやスクリプトで自動化することも可能ですが、初期設定には追加の手間がかかります。
解決策
Obsidian Publish の強み
ワンクリック公開の簡便さ
Obsidian Publish の最大の魅力は、技術的な知識がなくても簡単に公開できる点です。以下のステップだけで、あなたのノートが Web サイトとして公開されます。
- Obsidian アプリで「Publish」タブを開く
- 公開したいノートを選択
- 「Publish」ボタンをクリック
これだけで、数秒後には専用 URL でアクセスできる公開サイトが完成します。Git コマンドもビルドツールも必要ありません。
公式サポートの安心感
Obsidian 公式が提供するサービスなので、以下のような安心感があります。
- アップデートへの自動対応: Obsidian 本体の新機能が Publish にも反映される
- セキュリティ管理: HTTPS 対応、プライベートページの認証機能
- パフォーマンス最適化: CDN による高速配信、レスポンスタイムの改善
- サポート体制: 公式フォーラムやドキュメントが充実
適したユースケース
以下のような方には、Obsidian Publish が最適な選択肢となるでしょう。
| # | ユースケース | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 技術的な知識が少ない方 | セットアップ不要で始められる |
| 2 | 時間を節約したい方 | 執筆に集中でき、公開作業は最小限 |
| 3 | セキュアな社内ドキュメント共有 | パスワード保護、メンバー限定公開が可能 |
| 4 | 頻繁に更新するコンテンツ | リアルタイムで反映、即座に修正可能 |
GitHub Pages/Hugo の強み
完全無料での運用
GitHub Pages は 無料プランでも静的サイトのホスティングが可能です。Hugo も オープンソースのツールなので、ライセンス費用は一切かかりません。
コストの比較表を見てみましょう。
| # | 項目 | Obsidian Publish | GitHub Pages + Hugo |
|---|---|---|---|
| 1 | 初期費用 | $0 | $0 |
| 2 | 月額費用 | $8 | $0 |
| 3 | 年間費用 | $96 | $0 |
| 4 | カスタムドメイン | 追加費用なし | ドメイン代のみ(年 $10〜) |
長期的に運用する場合、GitHub Pages + Hugo は大幅なコスト削減につながります。
高いカスタマイズ性
Hugo は静的サイトジェネレーターの中でも特に柔軟性が高く、以下のようなカスタマイズが可能です。
mermaidflowchart TD
hugo["Hugo プロジェクト"] --> theme["テーマ選択<br/>300+ 種類"]
hugo --> layout["レイアウト<br/>カスタマイズ"]
hugo --> shortcode["ショートコード<br/>独自機能追加"]
hugo --> config["設定ファイル<br/>TOML/YAML"]
theme --> design["デザイン<br/>完全制御"]
layout --> design
shortcode --> feature["機能拡張"]
config --> seo["SEO 最適化"]
この図が示すように、Hugo ではテーマ、レイアウト、機能、SEO まで、あらゆる要素を自分好みに調整できます。
Git ベースのバージョン管理
GitHub でコンテンツを管理することで、以下のようなメリットが得られます。
- 変更履歴の完全な追跡: いつ、誰が、何を変更したかが明確
- ブランチ戦略: 下書き、レビュー、公開といったワークフローを Git ブランチで実現
- コラボレーション: プルリクエストでレビュー、複数人での執筆管理
- バックアップ: リポジトリをクローンすれば、いつでもどこでも復元可能
適したユースケース
以下のような方には、GitHub Pages + Hugo が最適な選択肢となります。
| # | ユースケース | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | コストを抑えたい方 | 完全無料で運用可能 |
| 2 | デザインにこだわりたい方 | テーマやレイアウトを自由にカスタマイズ |
| 3 | 複数人で執筆・管理する方 | Git の強力なバージョン管理とコラボレーション機能 |
| 4 | 技術的な学習を楽しみたい方 | Hugo、Git、CI/CD の実践的なスキルが身につく |
具体例
Obsidian Publish のセットアップ手順
ステップ 1: Obsidian Publish の有効化
まず、Obsidian の設定から Publish 機能を有効化します。
Obsidian アプリを開いて、左下の歯車アイコン(設定)をクリックします。サイドバーから「Core plugins」を選択し、「Publish」をオンにしてください。
ステップ 2: サイトの作成
「Publish」タブが左サイドバーに表示されるので、クリックします。
初回は「Create site」ボタンが表示されるので、クリックして新しいサイトを作成します。サイト ID(URL の一部になります)を入力し、「Create」をクリックしてください。
typescript// サイト ID の例
// 入力: my-tech-blog
// 生成される URL: https://publish.obsidian.md/my-tech-blog
ステップ 3: 公開するノートの選択
作成したサイトが表示されたら、「New changes」タブで公開したいノートにチェックを入れます。
フォルダ全体を選択することもできますし、個別のノートだけを選ぶことも可能です。選択が完了したら、「Publish」ボタンをクリックします。
ステップ 4: サイトのカスタマイズ
「Site options」タブでは、以下のようなカスタマイズが可能です。
| # | 設定項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | Site name | サイトのタイトル |
| 2 | Home page | トップページとして表示するノート |
| 3 | Theme | ライトモード、ダークモード、または自動切替 |
| 4 | Custom CSS | 独自のスタイルシート適用 |
| 5 | Reading experience | フォントサイズ、行間などの調整 |
これだけで、プロフェッショナルな見た目の公開サイトが完成します。
ステップ 5: カスタムドメインの設定(オプション)
独自ドメインを使いたい場合は、「Site options」の「Custom domain」セクションで設定できます。
bash# DNS レコードの設定例(お使いのドメインレジストラで設定)
# CNAME レコード
# Name: blog (または @)
# Value: publish-main.obsidian.md
DNS 設定が反映されるまで、数時間から 24 時間程度かかる場合があります。
GitHub Pages/Hugo のセットアップ手順
ステップ 1: Hugo のインストール
まず、ローカル環境に Hugo をインストールします。macOS の場合は Homebrew、Windows の場合は Chocolatey が便利です。
bash# macOS の場合
brew install hugo
# Windows の場合
choco install hugo-extended -y
インストールが完了したら、バージョンを確認してみましょう。
bash# Hugo のバージョン確認
hugo version
# 出力例: hugo v0.120.4+extended darwin/arm64
ステップ 2: Hugo サイトの作成
次に、Hugo の新しいサイトプロジェクトを作成します。
bash# 新しいサイトを作成
hugo new site my-obsidian-blog
# 作成されたディレクトリに移動
cd my-obsidian-blog
この コマンドで、以下のようなディレクトリ構造が生成されます。
typescript// 生成されるディレクトリ構造
my-obsidian-blog/
├── archetypes/ // 新規ページのテンプレート
├── content/ // Markdown コンテンツを配置
├── data/ // データファイル(JSON、YAML など)
├── layouts/ // カスタムレイアウト
├── static/ // 画像、CSS、JS などの静的ファイル
├── themes/ // テーマを配置
└── hugo.toml // サイト設定ファイル
ステップ 3: テーマのインストール
Hugo には豊富なテーマが用意されています。ここでは人気のある「PaperMod」テーマを例に説明します。
bash# Git サブモジュールとしてテーマを追加
git init
git submodule add --depth=1 https://github.com/adityatelange/hugo-PaperMod.git themes/PaperMod
次に、設定ファイルでテーマを指定します。
toml# hugo.toml の編集
baseURL = "https://yourusername.github.io/"
languageCode = "ja"
title = "My Obsidian Blog"
theme = "PaperMod"
[params]
description = "Obsidian から Hugo で公開する技術ブログ"
author = "Your Name"
ステップ 4: コンテンツの作成
Obsidian で執筆した Markdown ファイルを Hugo の content ディレクトリにコピーします。
bash# 新しい記事を作成
hugo new posts/my-first-post.md
作成されたファイルを編集して、Front Matter とコンテンツを追加します。
markdown---
title: 'Obsidian と Hugo で始める技術ブログ'
date: 2025-01-15T10:00:00+09:00
draft: false
tags: ['Obsidian', 'Hugo', 'ブログ']
---
ここに記事の本文を書きます。Obsidian で書いた Markdown をそのまま使えます。
ステップ 5: ローカルでプレビュー
Hugo にはビルトインの開発サーバーがあるので、ローカルで確認できます。
bash# 開発サーバーを起動
hugo server -D
# -D オプションは draft: true の記事も表示する
ブラウザで http://localhost:1313 にアクセスすると、サイトのプレビューが表示されます。ファイルを編集すると、自動的にブラウザがリロードされるので、リアルタイムで変更を確認できます。
ステップ 6: GitHub リポジトリの作成
GitHub で新しいリポジトリを作成します。リポジトリ名は yourusername.github.io にすると、自動的にルートドメインで公開されます。
bash# Git の初期設定(まだの場合)
git config --global user.name "Your Name"
git config --global user.email "your.email@example.com"
# リモートリポジトリを追加
git remote add origin https://github.com/yourusername/yourusername.github.io.git
# 初回コミットとプッシュ
git add .
git commit -m "Initial commit: Hugo site setup"
git push -u origin main
ステップ 7: GitHub Actions の設定
自動ビルド・デプロイのために、GitHub Actions のワークフローを設定します。
プロジェクトのルートに .github/workflows ディレクトリを作成し、hugo.yml ファイルを配置します。
yaml# .github/workflows/hugo.yml
name: Deploy Hugo site to Pages
on:
push:
branches:
- main
permissions:
contents: read
pages: write
id-token: write
jobs:
build:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- name: Checkout
uses: actions/checkout@v4
with:
submodules: recursive
fetch-depth: 0
次に、ビルドステップを追加します。
yaml- name: Setup Hugo
uses: peaceiris/actions-hugo@v2
with:
hugo-version: 'latest'
extended: true
- name: Build
run: hugo --minify
最後に、デプロイステップを追加します。
yaml - name: Upload artifact
uses: actions/upload-pages-artifact@v2
with:
path: ./public
deploy:
environment:
name: github-pages
url: ${{ steps.deployment.outputs.page_url }}
runs-on: ubuntu-latest
needs: build
steps:
- name: Deploy to GitHub Pages
id: deployment
uses: actions/deploy-pages@v3
ステップ 8: GitHub Pages の有効化
GitHub リポジトリの「Settings」→「Pages」で、以下のように設定します。
| # | 設定項目 | 値 |
|---|---|---|
| 1 | Source | GitHub Actions |
| 2 | Branch | (自動設定) |
| 3 | Custom domain | (必要に応じて設定) |
設定が完了したら、main ブランチに変更をプッシュするたびに、自動的にビルド・デプロイが実行されます。
bash# 変更をプッシュ
git add .
git commit -m "Add GitHub Actions workflow"
git push
数分後、https://yourusername.github.io でサイトが公開されます。
Obsidian から Hugo への同期を自動化
Obsidian で執筆した内容を Hugo に自動的に同期するには、以下のような方法があります。
方法 1: シンボリックリンクの活用
Obsidian の Vault と Hugo の content ディレクトリをシンボリックリンクで接続します。
bash# Hugo の content ディレクトリを削除
rm -rf content/posts
# Obsidian の特定フォルダをシンボリックリンク
ln -s /path/to/obsidian/vault/blog-posts content/posts
これにより、Obsidian で書いた内容が即座に Hugo に反映されます。
方法 2: Obsidian プラグインの利用
「Obsidian Git」プラグインを使えば、Obsidian 内から直接 Git 操作ができます。
プラグインをインストールして、以下のように設定します。
| # | 設定項目 | 推奨値 |
|---|---|---|
| 1 | Auto backup interval | 10 minutes |
| 2 | Commit message | "vault backup: {{date}}" |
| 3 | Auto pull interval | 5 minutes |
| 4 | Auto push | Enabled |
これにより、Obsidian での編集が自動的に GitHub にプッシュされ、GitHub Actions が起動してサイトが更新されます。
方法 3: カスタムスクリプトの作成
シェルスクリプトで同期処理を自動化することもできます。
bash#!/bin/bash
# sync-to-hugo.sh
# Obsidian Vault のパス
VAULT_PATH="/path/to/obsidian/vault/blog-posts"
# Hugo の content パス
HUGO_CONTENT="/path/to/hugo-site/content/posts"
# rsync で同期(画像も含む)
rsync -av --delete "$VAULT_PATH/" "$HUGO_CONTENT/"
# Git にコミット・プッシュ
cd /path/to/hugo-site
git add .
git commit -m "Sync from Obsidian: $(date +%Y-%m-%d)"
git push
このスクリプトを cron や launchd で定期実行すれば、完全自動化が実現できます。
実際の運用フロー比較
以下の図は、両方の方法での実際の運用フローを比較したものです。
mermaidsequenceDiagram
participant Writer as 執筆者
participant Obsidian as Obsidian
participant Publish as Obsidian Publish
participant Git as Git/GitHub
participant Actions as GitHub Actions
participant Pages as GitHub Pages
Note over Writer,Publish: Obsidian Publish のフロー
Writer->>Obsidian: 記事執筆
Writer->>Publish: 公開ボタンクリック
Publish-->>Writer: 即座に公開完了
Note over Writer,Pages: GitHub Pages + Hugo のフロー
Writer->>Obsidian: 記事執筆
Writer->>Git: git add/commit/push
Git->>Actions: ワークフロー起動
Actions->>Actions: Hugo ビルド
Actions->>Pages: デプロイ
Pages-->>Writer: 公開完了(数分後)
この図からわかるように、Obsidian Publish は即座に公開されますが、Hugo の場合はビルド・デプロイのプロセスがあるため、数分程度の遅延が発生します。
まとめ
Obsidian のコンテンツを Web 公開する方法として、「Obsidian Publish」と「GitHub Pages/Hugo」を比較してきました。どちらにも明確な長所と短所があり、ユースケースによって最適な選択肢は異なります。
Obsidian Publish は、技術的な知識が少ない方や、時間をかけずにすぐ公開したい方に最適です。月額 $8 のコストはかかりますが、セットアップや運用の手間を考えれば、十分に価値のある投資といえるでしょう。公式サポートの安心感、リアルタイムでの更新反映、パスワード保護などのセキュリティ機能も魅力です。
一方、GitHub Pages/Hugo は、コストを抑えたい方、デザインや機能を細かくカスタマイズしたい方、Git によるバージョン管理を活用したい方に向いています。初期セットアップには時間がかかりますが、一度構築すれば長期的にコストゼロで運用でき、完全にコントロールできる自分だけのサイトが手に入ります。
最終的には、以下の観点で選択するとよいでしょう。
- 技術的な知識: 少ない → Obsidian Publish、ある → GitHub Pages + Hugo
- 予算: 月額費用 OK → Obsidian Publish、無料が良い → GitHub Pages + Hugo
- カスタマイズ性: 標準で十分 → Obsidian Publish、こだわりたい → GitHub Pages + Hugo
- 運用の手間: 最小限にしたい → Obsidian Publish、自分で管理したい → GitHub Pages + Hugo
どちらを選んでも、Obsidian での執筆体験はそのまま活かせます。まずは試してみて、自分のワークフローに合った方法を見つけることが大切です。この記事が、あなたの公開ワークフローの最適解を見つける一助となれば幸いです。
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