Cursor にコードをぶっ壊されてしまった時の効果的なリカバリ方法

Cursor にコードをぶっ壊されてしまった時の効果的なリカバリ方法
AI を活用したコーディング体験を提供する Cursor エディタは、開発を効率化する素晴らしいツールです。しかし、AI の提案を取り入れる過程で時々コードが予期せぬ方向に「ぶっ壊れる」ことがあります。そんな時のために、効果的なリカバリ方法を知っておくことは非常に重要です。この記事では、Cursor でコードに問題が発生した場合の対処法を詳しく解説します。
AI によるコード生成の落とし穴
Cursor の魅力は AI がコードを生成・修正してくれる点にあります。しかし、AI が常に完璧なコードを提供するわけではありません。特に以下のような状況で問題が発生しやすいです。
- 大規模な修正や複数ファイルの変更を一度に行う場合
- プロジェクト特有の設計やパターンを AI が十分に理解していない場合
- 既存コードの文脈を完全に把握せずに修正が行われた場合
- 最新バージョン(2025 年 5 月現在の v0.50.x)での Background Agent 機能使用時
こうした状況でコードが動かなくなり、エラーが大量に発生し、どうしようもなくなると、焦ってしまいますよね。でも大丈夫です!いくつかの方法でコードを復元することができます。
Cursor のチェックポイント機能を活用したリカバリ
1. チェックポイントからの復元方法
Cursor には強力なチェックポイント機能が備わっています。AI との対話の各ステップでコードベースのスナップショットが自動的に保存されるので、問題が発生した場合に簡単に元に戻すことができます。
- Cursor 画面の左側にあるチャット履歴から、問題が発生する前のメッセージを見つけます
- そのメッセージの右側に表示される「Restore checkpoint」ボタンにカーソルを合わせます
- クリックすると、「Undo all changes up to this checkpoint」(このチェックポイントまでのすべての変更を元に戻す)というオプションが表示されます
- 「Continue」をクリックして変更を元に戻します
この操作により、選択したチェックポイント以降に行われたすべてのコード変更が取り消され、プロジェクトは元の状態に戻ります。
2. Git の活用
チェックポイント機能と合わせて、Git を使用することもでさらに安全にコードを管理できます。
bash# 変更を確認
git status
# 特定ファイルの変更を取り消す
git checkout -- path/to/file
# 最後のコミット以降のすべての変更を取り消す
git reset --hard HEAD
Git を使っていると安心感が違います。定期的なコミットが重要です!
チェックポイント使用時の注意点
1. 復元範囲の確認
チェックポイントから復元する際は、以下の点に注意しましょう:
- 復元操作は選択したチェックポイント以降のすべての変更を取り消します
- 部分的な復元はできないため、必要な変更があれば事前にバックアップしておきましょう
- 一度復元操作を行うと、元に戻すことはできません
2. コミュニケーションコンテキストの維持
チェックポイントからの復元後も、AI との対話履歴は維持されるため、コミュニケーションを続けることができます。復元後は、AI に何が問題だったのかを説明し、改善策を考えてもらうと良いでしょう。
AI による問題の修正
コードが壊れた原因が AI の提案だった場合、AI に修正してもらうという選択肢もあります。
- 問題のある部分を選択します
Cmd + K
(macOS)またはCtrl + K
(Windows/Linux)で AI チャットを開きます- 「この部分のコードが動作しません。問題を修正してください」などと指示します
AI は自分の間違いを修正するのが得意なケースも多いです。特に構文エラーなどの単純な問題であれば効果的です。
予防策:定期的なバックアップの重要性
もちろん、最善の対策は問題が起きる前に準備しておくことです。
1. 定期的な Git コミット
bash# 作業の区切りごとにコミットする習慣をつける
git add .
git commit -m "機能Xの実装完了"
2. 自動バックアップの設定
Cursor の設定から自動バックアップの頻度を調整できます:
Cmd + ,
(macOS)またはCtrl + ,
(Windows/Linux)で設定を開きます- 「Auto Save」を検索し、適切な間隔を設定します
3. クラウドバックアップの活用
GitHub や GitLab などのクラウドリポジトリを活用しましょう:
bash# リモートリポジトリへのプッシュを忘れずに
git push origin main
過去バージョンの Cursor へのダウングレード
最新バージョンでチェックポイント機能に問題がある場合、過去のバージョンにダウングレードすることも一つの選択肢です。
1. 公式ダウンロードページの利用
- Cursor の公式ダウンロードページにアクセスします
- ページの下部にある過去バージョン(例:0.49、0.48 など)のセクションから必要なバージョンを選択します
- お使いのプラットフォーム(macOS、Windows、Linux)に適したインストーラーをダウンロードします
2. インストール前のバックアップ
ダウングレードする前に、現在の設定をバックアップしておくことをお勧めします:
bash# macOSの場合
cp -r ~/.config/Cursor ~/cursor_backup
cp -r ~/.cursor ~/cursor_home_backup
# Windowsの場合
xcopy %APPDATA%\Cursor %USERPROFILE%\cursor_backup /E /I /H
コード修復の実践例
実際に Cursor でコードが壊れたケースを想定して、修復手順を見ていきましょう。
ケース 1:AI によるインポート文の誤修正
AI が不要なインポートを削除したり、誤ったパスを指定したりした場合:
- チャット履歴から問題が発生する前のチェックポイントを見つけます
- 「Restore checkpoint」ボタンをクリックし、確認ダイアログで「Continue」を選択します
- コードが正常な状態に戻ったことを確認します
- 必要に応じて手動で修正を加えます
ケース 2:大規模なコード生成での構文エラー
AI に大量のコードを生成させた際に構文エラーが混入した場合:
- チェックポイントから復元するか、構文エラーを特定して修正します
- 次回からは生成されたコードをすぐに実行してテストし、小さな単位で変更を加えるようにします
まとめ
Cursor は素晴らしい AI コーディングアシスタントですが、時にはコードを「ぶっ壊す」こともあります。そんな時のために:
- チェックポイント機能を活用して変更を元に戻す
- Git によるバージョン管理を適切に行う
- AI に修正を依頼する
- 予防策として定期的なバックアップを習慣化する
- 必要に応じて以前のバージョンにダウングレードする
これらの方法を知っておくことで、Cursor でのコーディング体験をより安全で効率的なものにできます。AI ツールは素晴らしい可能性を秘めていますが、常に「信頼して、検証する」姿勢を持つことが重要です。