もう三日坊主とはサヨナラ!『続ける思考』井上新八

今回は井上新八さんが執筆された『続ける思考』を紹介します。 「今度こそ続けよう!」と決意したのに、気がつくと三日坊主になってしまう... そんな経験を繰り返している方にこそ読んでほしい一冊です。 この本は、継続することの科学的なメカニズムから実践的なテクニックまで、「続けられない自分」を根本から変える方法を教えてくれます。 もう「意志が弱いから」という言い訳は必要ありません!
この本の概要
本書は、継続することに悩む多くの人々のために書かれた実践的な自己啓発書です。 著者の井上新八さん自身も、かつては何をやっても続かない「三日坊主の王様」だったそうです。 しかし、継続のメカニズムを理解し、正しい方法を実践することで、人生を劇的に変えることができました。

「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考 井上 新八 (著)
なぜ人は続けられないのか?
多くの人が継続に失敗する理由は、意志の弱さではありません。 本書では、継続できない本当の原因を科学的に解明しています。
脳の仕組みと継続の関係
人間の脳は、変化を嫌い、現状維持を好むようにできています。 これは生存本能として備わっている機能で、決して悪いことではありません。
- 現状維持バイアス: 変化にはエネルギーが必要なため、脳が抵抗する
- 快楽原則: 即座の快楽を優先し、将来の利益を軽視する傾向
- 認知的負荷: 新しい習慣は脳に負担をかけ、疲労を引き起こす
- 完璧主義の罠: 100% を求めすぎて、小さな失敗で挫折する
間違った継続方法
多くの人が実践している継続方法は、実は逆効果になることが多いのです。
- 気合いと根性に頼る: 意志力は有限で、必ず枯渇する
- 大きな変化を一度に起こそうとする: 脳の抵抗が強くなり、挫折しやすい
- 完璧を求めすぎる: 一度でも失敗すると、全てを諦めてしまう
- 他人と比較する: 自分のペースを見失い、無理をしてしまう
「続ける思考」の核心
井上新八さんが提唱する「続ける思考」は、従来の根性論とは全く異なるアプローチです。
小さく始める力
継続の最大の秘訣は「小さく始めること」です。 脳が抵抗を感じないレベルまで行動を細分化することで、自然と習慣化できます。
「2 分ルール」の活用
- 読書習慣 → 1 日 1 ページから始める
- 運動習慣 → 腕立て伏せ 1 回から始める
- 勉強習慣 → 教科書を開くだけから始める
- 日記習慣 → 一言だけ書くことから始める
成功体験の積み重ね
小さな成功を積み重ねることで、自己効力感が向上し、より大きな挑戦への意欲が湧いてきます。
環境デザインの重要性
意志力に頼らず、環境を整えることで自然と続けられる仕組みを作ります。
物理的環境の整備
- やりたいことを始めやすくする: 本を枕元に置く、運動着を見えるところに置く
- やめたいことを始めにくくする: スマホを別の部屋に置く、お菓子を買い置きしない
- 視覚的なリマインダー: 目標を書いた紙を貼る、進捗を見える化する
時間的環境の設計
- ルーティン化: 決まった時間に決まった行動をする
- 既存の習慣との連結: 歯磨きの後に読書、朝食後に運動など
- バッファタイムの確保: 完璧なスケジュールではなく、余裕を持った計画
感情との上手な付き合い方
継続において、感情のコントロールは非常に重要です。
モチベーションに頼らない仕組み
- システム思考: やる気に関係なく行動できる仕組みを作る
- if-then プランニング: 「もし〇〇なら、△△ する」という条件付きの計画
- 最低限ルール: 調子が悪い日でも続けられる最小限の行動を決める
挫折からの立ち直り方
- 完璧主義を手放す: 80% できれば十分と考える
- リセットではなく再開: 1 日休んでも、翌日から再開すれば問題なし
- 失敗の再定義: 挫折は学習の機会として捉える
実践的な継続テクニック
習慣スタッキング
既存の確立された習慣に、新しい習慣を積み重ねる方法です。
具体的な例
- 「コーヒーを淹れた後に、5 分間読書する」
- 「歯を磨いた後に、腹筋を 10 回する」
- 「電車に乗った後に、英単語を 3 つ覚える」
- 「お風呂に入る前に、明日の予定を確認する」
進捗の可視化
継続のモチベーションを維持するために、進捗を目に見える形にします。
効果的な記録方法
- カレンダーマーキング: 実行した日にマークをつける
- 数値の記録: 読んだページ数、運動時間、勉強時間など
- 写真での記録: ビフォーアフターの変化を撮影
- 日記での振り返り: 感情や気づきを言語化する
仲間との共有
一人で続けるより、誰かと一緒に取り組む方が継続率が高まります。
ソーシャルサポートの活用
- SNS での宣言: 目標を公開し、進捗を報告する
- 習慣仲間を作る: 同じ目標を持つ人とグループを作る
- 家族や友人への報告: 身近な人に協力してもらう
- オンラインコミュニティ: 同じ志を持つ人たちとつながる
やりたいこととやるべきことの両立
本書の特徴は、「やりたいこと」と「やるべきこと」の両方を継続する方法を教えてくれることです。
優先順位の明確化
限られた時間とエネルギーを効果的に配分するための考え方。
重要度と緊急度のマトリックス
- 重要かつ緊急: 最優先で対応
- 重要だが緊急でない: 計画的に時間を確保
- 緊急だが重要でない: 可能な限り他人に委託
- 緊急でも重要でもない: 思い切って削除
エネルギー管理の考え方
時間管理だけでなく、エネルギー管理の視点も重要です。
1 日のエネルギーサイクル
- 朝の高エネルギー時間: 最も重要なタスクに集中
- 午後の中エネルギー時間: ルーティンワークや軽いタスク
- 夕方の低エネルギー時間: リラックスや振り返りの時間
バランスの取り方
完璧なバランスを求めるのではなく、長期的な視点でのバランスを考えます。
季節やライフステージに応じた調整
- 繁忙期: やるべきことに重点を置く
- 余裕のある時期: やりたいことに時間を投資
- 人生の転換期: 新しい習慣を始める絶好のタイミング
手に取ったきっかけ
私がこの本と出会ったのは、自分の三日坊主癖に本当に嫌気がさしていた時期でした。 読書、運動、英語学習、副業...何を始めても 1 週間も続かない自分に、心底うんざりしていました。
「今度こそは!」と意気込んで始めるものの、数日後には元の生活に戻ってしまう。 そんなパターンを何十回も繰り返していました。 友人に相談したところ、「意志力の問題じゃないかもしれないよ」と言われ、この本を勧められました。
タイトルの「やりたいことも やるべきことも全部できる」という言葉に、最初は半信半疑でした。 でも、「続ける思考」という表現に興味を惹かれ、藁にもすがる思いで購入しました。
読んでみて思ったこと
この本を読んで実践した結果、私の人生は本当に変わりました。 今では複数の習慣を無理なく継続できるようになり、「継続できる自分」に自信を持てるようになりました。
「小さく始める」ことの威力
最も衝撃的だったのは、「2 分ルール」の効果でした。 これまでの私は「1 日 1 時間読書する」「毎日 30 分運動する」といった大きな目標を立てて、挫折を繰り返していました。
しかし、この本の教えに従って「1 日 1 ページ読む」「腕立て伏せ 1 回する」から始めたところ、驚くほど簡単に続けることができました。 最初は「こんなので意味があるの?」と思いましたが、1 週間、2 週間と続けるうちに、自然と量が増えていったのです。
1 ページから始めた読書は、今では 1 日 30 分以上読むのが当たり前になりました。 腕立て伏せ 1 回から始めた運動は、今では週 3 回のジム通いに発展しています。
皆さんも、「これくらいなら絶対にできる」というレベルまで目標を小さくしてみてください。 その小ささに最初は戸惑うかもしれませんが、継続の力は本当に素晴らしいものです。
環境の力を実感
この本を読むまで、継続できないのは自分の意志が弱いからだと思い込んでいました。 しかし、環境を整えることで、意志力に頼らずに行動できることを学びました。
例えば、読書習慣をつけるために、ベッドサイドに本を置くようにしました。 スマホは別の部屋に置いて、寝る前に自然と本を手に取るような環境を作ったのです。 結果として、寝る前の読書が完全に習慣化されました。
また、運動のために、前日の夜に運動着を準備して、朝起きたらすぐに着替えられるようにしました。 「着替えるのが面倒」という小さな障壁を取り除くだけで、運動の継続率が劇的に向上しました。
環境デザインの考え方は、仕事や人間関係にも応用できます。 「やりたいことを始めやすく、やめたいことを始めにくく」という原則は、人生のあらゆる場面で役立っています。
完璧主義からの解放
私の最大の敵は、完璧主義でした。 1 日でもサボってしまうと「もうダメだ」と思って、全てを投げ出してしまう癖がありました。
しかし、この本で「80% できれば十分」「1 日休んでも翌日から再開すればいい」という考え方を学び、心が軽くなりました。 完璧を求めすぎることが、継続の最大の敵だったのです。
今では、調子の悪い日は「最低限ルール」を適用しています。 読書なら「本を開くだけ」、運動なら「ストレッチだけ」といった具合に、ハードルを下げて継続することを優先しています。
この柔軟性を身につけてから、挫折することがほとんどなくなりました。 むしろ、「今日は調子が悪いけど、最低限はできた」という小さな達成感が、翌日のモチベーションにつながっています。
やりたいこととやるべきことの両立
この本の素晴らしいところは、義務的な「やるべきこと」だけでなく、楽しい「やりたいこと」も継続する方法を教えてくれることです。
私は仕事の勉強(やるべきこと)と趣味の読書(やりたいこと)を両立させたいと思っていました。 以前は「仕事が忙しいから趣味は後回し」という考えでしたが、この本を読んで優先順位の付け方を学びました。
朝の高エネルギー時間は仕事の勉強に、夜のリラックス時間は趣味の読書に充てるという時間配分を決めました。 また、「今週は仕事重視、来週は趣味重視」といった具合に、週単位でバランスを調整するようになりました。
結果として、どちらも継続できるようになり、人生の充実度が格段に向上しました。 「やりたいこと」と「やるべきこと」は対立するものではなく、両立できるものだということを実感しています。
皆さんも、「どちらか一方を選ばなければ」と思い込んでいませんか? 適切な時間管理とエネルギー管理を身につければ、両方を手に入れることは十分可能です。
継続することで得られた自信
最も大きな変化は、「継続できる自分」への自信です。 以前は「どうせ続かない」という諦めの気持ちが先に立っていましたが、今では「続けられる方法を知っている」という確信があります。
この自信は、新しいことに挑戦する勇気にもつながっています。 最近では、ブログ執筆や語学学習など、以前なら「どうせ続かない」と諦めていたことにも積極的に取り組んでいます。
継続力は、人生を変える最強のスキルだと実感しています。 小さな習慣の積み重ねが、大きな成果と自信をもたらしてくれるのです。
最後に
『続ける思考』は、三日坊主に悩むすべての人にとって、人生を変える一冊です。
この本の最大の価値は、継続を「根性論」から「科学」に変えてくれることです。 意志の強さに関係なく、誰でも実践できる具体的な方法が詰まっています。
何かを始めても続かない方、やりたいこととやるべきことの両立に悩んでいる方、自分の意志の弱さに嫌気がさしている方に、ぜひ一読をおすすめします! この本の方法を実践すれば、あなたも必ず「続けられる自分」に変わることができるはずです。

「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考 井上 新八 (著)
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