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Homebrew コマンドチートシート 2025:毎日使う 60 コマンド即参照リスト

Homebrew コマンドチートシート 2025:毎日使う 60 コマンド即参照リスト

macOS や Linux での開発作業において、Homebrew は欠かせないパッケージマネージャーとなっています。しかし、日々の作業で「あのコマンド何だったかな?」と検索することはありませんか。本記事では、実務で頻繁に使う Homebrew コマンド 60 個を厳選し、即座に参照できるチートシートとしてまとめました。

初心者の方でも理解しやすいよう、基本操作から応用テクニックまで段階的に解説していきます。このチートシートを手元に置いておけば、開発効率が格段に向上するでしょう。

コマンド一覧表

以下は、本記事で紹介する 60 個のコマンドを一覧にまとめたものです。すぐに参照できるよう、番号とカテゴリ、用途を記載しています。

基本操作コマンド(1-15)

#コマンド用途
1brew install <package>パッケージをインストール
2brew install --cask <app>GUI アプリケーションをインストール
3brew uninstall <package>パッケージをアンインストール
4brew uninstall --zap <cask>依存関係も含めて完全削除
5brew updateHomebrew 自体を最新化
6brew upgradeインストール済みパッケージをアップグレード
7brew upgrade <package>特定のパッケージのみアップグレード
8brew pin <package>古いバージョンに戻す(ピン留め)
9brew unpin <package>ピン留めを解除
10brew listインストール済みパッケージ一覧
11brew list --caskCask アプリケーション一覧
12brew info <package>パッケージの詳細情報
13brew outdatedアップデート可能なパッケージ一覧
14brew --versionHomebrew のバージョン確認
15brew deps <package>インストール済みパッケージの依存関係を表示

検索・発見コマンド(16-25)

#コマンド用途
16brew search <keyword>パッケージを検索
17brew search ​/​<regex>​/​正規表現で検索
18brew search --cask <keyword>利用可能な Cask を検索
19brew desc <package>パッケージの説明文を検索
20brew search --desc <keyword>すべてのパッケージの説明を検索
21brew tapTap(リポジトリ)一覧
22brew tap <user​/​repo>新しい Tap を追加
23brew untap <user​/​repo>Tap を削除
24brew info --json <package>Formula の詳細(依存関係、オプションなど)
25brew home <package>パッケージのホームページを開く

メンテナンスコマンド(26-40)

#コマンド用途
26brew cleanup古いバージョンを削除
27brew cleanup <package>特定パッケージの古いバージョンのみ削除
28brew cleanup -n削除可能なファイルのサイズを確認(実際には削除しない)
29brew cleanup --prune=allキャッシュを削除
30brew --cacheダウンロードキャッシュの場所を確認
31brew doctorHomebrew の状態をチェック
32brew missingインストールの整合性をチェック
33brew link <package>リンク切れを修復
34brew link --overwrite <package>リンクを強制的に上書き
35brew unlink <package>リンクを解除
36brew reinstall <package>パッケージを再インストール
37brew reinstall $(brew list --formula)すべての Formula を再インストール
38brew configHomebrew の設定を表示
39brew --prefixHomebrew のプレフィックス(インストール先)を表示
40brew --prefix <package>特定パッケージのインストール先を表示

高度な操作コマンド(41-50)

#コマンド用途
41brew services start <service>バックグラウンドサービスを開始
42brew services stop <service>サービスを停止
43brew services restart <service>サービスを再起動
44brew services list起動中のサービス一覧
45brew services stop <service> --allサービスの自動起動を無効化
46brew uses <package>パッケージの依存元を表示(このパッケージに依存しているもの)
47brew deps --tree <package>依存関係をツリー表示
48brew deps --installed --treeインストール済みパッケージの依存関係を表示
49brew leaves孤立したパッケージ(どれにも依存されていない)を表示
50brew autoremove未使用の依存パッケージを削除

セキュリティ・監査コマンド(51-55)

#コマンド用途
51brew audit --installed脆弱性のあるパッケージをチェック
52brew audit <formula>特定の Formula を監査
53brew styleすべての Formula をスタイルチェック
54brew verify <package>パッケージの署名を検証
55brew readallインストールされたファイルの整合性チェック

開発者向けコマンド(56-60)

#コマンド用途
56brew edit <formula>Formula を編集
57brew create <url>Formula を作成
58brew test <formula>ローカルの Formula をテスト
59brew log <formula>Formula のビルドログを表示
60brew deps --graph <package>依存関係グラフを Graphviz 形式で出力

表の活用方法: この一覧表で必要なコマンドを素早く見つけ、詳細な使用方法は後続のセクションで確認できます。特に使用頻度の高い 1-15 番のコマンドは、ブックマークしておくことをおすすめします。

背景

Homebrew の役割と重要性

Homebrew は macOS および Linux 向けのパッケージマネージャーで、コマンドライン環境でのソフトウェア管理を劇的に簡素化します。従来は各ソフトウェアを個別にダウンロードし、インストールスクリプトを実行する必要がありました。

Homebrew を使えば、たった一行のコマンドで最新のツールをインストールでき、依存関係も自動的に解決してくれるのです。

以下の図は、Homebrew の基本的な役割を示しています。

mermaidflowchart LR
  dev["開発者"] -->|コマンド実行| brew["Homebrew"]
  brew -->|パッケージ取得| repo["公式リポジトリ"]
  brew -->|依存関係解決| deps["依存パッケージ"]
  deps -->|自動インストール| local["ローカル環境"]
  repo -->|ダウンロード| local
  local -->|利用可能| dev

図のポイント: Homebrew は開発者とパッケージリポジトリの間に立ち、依存関係の解決からインストールまでを一手に引き受けます。これにより、開発者は本来の開発作業に集中できるのです。

Homebrew が管理する 3 つのコンポーネント

Homebrew では、以下の 3 つの異なるタイプのパッケージを管理できます。

#コンポーネント説明インストール先
1FormulaCLI ツール(git, node など)​/​opt​/​homebrew​/​Cellar (Apple Silicon)​/​usr​/​local​/​Cellar (Intel Mac)
2CaskGUI アプリ(Chrome, VSCode など)​/​Applications
3Tapサードパーティリポジトリカスタムリポジトリ

この 3 つを理解することで、Homebrew の全体像が把握できるようになります。Formula はコマンドラインツール、Cask はグラフィカルなアプリケーション、Tap は追加のパッケージソースと覚えておきましょう。

課題

開発現場で直面する Homebrew の課題

Homebrew を使っていると、以下のような課題に直面することがあります。

課題 1: コマンドの記憶負担

Homebrew には多数のコマンドとオプションが存在し、すべてを暗記するのは現実的ではありません。特に使用頻度が低いコマンドは、必要になったときに都度検索する手間がかかります。

課題 2: パッケージの肥大化

長期間使用していると、不要なパッケージや古いバージョンが蓄積し、ストレージを圧迫するでしょう。定期的なメンテナンスが必要ですが、具体的な手順を知らない方も多いのではないでしょうか。

課題 3: トラブルシューティングの難しさ

インストールエラーや依存関係の競合が発生した際、どのコマンドで診断・修復すればよいか分からないことがあります。

以下の図は、これらの課題がどのように開発効率に影響するかを示しています。

mermaidflowchart TD
  start["開発作業開始"] --> need["ツールが必要"]
  need --> search["コマンドを検索"]
  search --> install["インストール実行"]
  install --> error{"エラー発生?"}
  error -->|Yes| trouble["トラブルシュート<br/>時間がかかる"]
  trouble --> search2["解決方法を検索"]
  search2 --> retry["再実行"]
  retry --> error
  error -->|No| done["作業継続"]

  style trouble fill:#ffcccc
  style search fill:#ffffcc
  style search2 fill:#ffffcc

図の要点: コマンドの検索やエラー対応に時間を取られ、本来の開発作業が中断されてしまう悪循環が見て取れます。

解決策

チートシートで解決する 3 つのアプローチ

本記事のチートシートは、前述の課題を以下の方法で解決します。

解決策 1: カテゴリ別整理

60 個のコマンドを「基本操作」「検索・情報取得」「メンテナンス」など、用途別に分類しました。必要なコマンドを素早く見つけられるでしょう。

解決策 2: 実用例の提示

各コマンドには具体的な使用例を記載し、実際の開発シーンですぐに応用できるようにしています。

解決策 3: トラブルシュート専用セクション

よくあるエラーとその解決コマンドを専用セクションにまとめ、問題発生時に即座に対処できるようにしました。

以下の図は、チートシート活用による効率化を示しています。

mermaidflowchart TD
  start2["開発作業開始"] --> need2["ツールが必要"]
  need2 --> cheat["チートシート参照"]
  cheat --> quick["即座にコマンド発見"]
  quick --> exec["実行"]
  exec --> check{"エラー?"}
  check -->|Yes| trouble_section["トラブルシュート<br/>セクション参照"]
  trouble_section --> fix["解決コマンド実行"]
  fix --> continue["作業継続"]
  check -->|No| continue

  style cheat fill:#ccffcc
  style quick fill:#ccffcc
  style trouble_section fill:#ccffcc

改善ポイント: 検索時間が大幅に短縮され、エラー対応も体系化されることで、開発のリズムが途切れにくくなります。

具体例

基本操作コマンド(1-15)

まずは Homebrew の基本となるコマンドから見ていきましょう。これらは毎日のように使用する最重要コマンドです。

インストール・アンインストール

bash# 1. パッケージをインストール
brew install <package>

最も基本的なコマンドです。<package> の部分に、インストールしたいパッケージ名を指定します。

bash# 実行例: Node.js をインストール
brew install node
bash# 2. GUI アプリケーションをインストール
brew install --cask <app>

Cask を使うことで、Chrome や Visual Studio Code などの GUI アプリもコマンドでインストールできます。

bash# 実行例: Google Chrome をインストール
brew install --cask google-chrome
bash# 3. パッケージをアンインストール
brew uninstall <package>

不要になったパッケージを削除する際に使用します。

bash# 実行例: wget を削除
brew uninstall wget
bash# 4. 依存関係も含めて完全削除
brew uninstall --zap <cask>

Cask アプリケーションの設定ファイルやキャッシュも含めて完全に削除したい場合に使います。

bash# 実行例: Slack を完全削除
brew uninstall --zap slack

アップデート関連

bash# 5. Homebrew 自体を最新化
brew update

Homebrew 本体と、パッケージリストを最新の状態に更新します。定期的に実行することをおすすめします。

bash# 6. インストール済みパッケージをアップグレード
brew upgrade

全てのパッケージを最新バージョンにアップグレードするでしょう。

bash# 7. 特定のパッケージのみアップグレード
brew upgrade <package>

特定のパッケージだけを更新したい場合に使用します。

bash# 実行例: git のみアップグレード
brew upgrade git

バージョン管理

bash# 8. 古いバージョンに戻す(ピン留め)
brew pin <package>

特定のバージョンを維持したい場合、ピン留めすることで自動アップグレードを防げます。

bash# 9. ピン留めを解除
brew unpin <package>
bash# 10. インストール済みパッケージ一覧
brew list

現在インストールされている全パッケージを表示します。

bash# 11. Cask アプリケーション一覧
brew list --cask

GUI アプリケーションのみを一覧表示するでしょう。

情報確認

bash# 12. パッケージの詳細情報
brew info <package>

バージョン、インストール先、依存関係などの詳細情報を確認できます。

bash# 実行例: python の情報を表示
brew info python
bash# 13. アップデート可能なパッケージ一覧
brew outdated

更新が利用可能なパッケージを一覧表示します。メンテナンスの際に便利です。

bash# 14. Homebrew のバージョン確認
brew --version
bash# 15. インストール済みパッケージの依存関係を表示
brew deps <package>

特定のパッケージが依存している他のパッケージを確認できます。

検索・発見コマンド(16-25)

必要なパッケージを見つけるための検索コマンド群です。

bash# 16. パッケージを検索
brew search <keyword>

キーワードでパッケージを検索します。部分一致で検索されるため、正確な名前が分からなくても大丈夫です。

bash# 実行例: "python" を含むパッケージを検索
brew search python
bash# 17. 正規表現で検索
brew search /<regex>/

より高度な検索が必要な場合は正規表現を使用できるでしょう。

bash# 18. 利用可能な Cask を検索
brew search --cask <keyword>

GUI アプリケーションに限定して検索します。

bash# 19. パッケージの説明文を検索
brew desc <package>

パッケージの簡単な説明を表示します。

bash# 20. すべてのパッケージの説明を検索
brew search --desc <keyword>

説明文の中にキーワードを含むパッケージを検索できます。

bash# 実行例: "database" という単語を含む説明のパッケージを検索
brew search --desc database
bash# 21. Tap(リポジトリ)一覧
brew tap

現在追加されているサードパーティリポジトリを確認します。

bash# 22. 新しい Tap を追加
brew tap <user/repo>

公式以外のリポジトリからパッケージをインストールする際に使用するでしょう。

bash# 実行例: Homebrew の追加リポジトリを追加
brew tap homebrew/cask-fonts
bash# 23. Tap を削除
brew untap <user/repo>
bash# 24. Formula の詳細(依存関係、オプションなど)
brew info --json <package>

JSON 形式で詳細情報を取得でき、スクリプトでの処理に便利です。

bash# 25. パッケージのホームページを開く
brew home <package>

パッケージの公式サイトをブラウザで開きます。

メンテナンスコマンド(26-40)

システムを健全に保つためのメンテナンスコマンドです。定期的に実行することをおすすめします。

クリーンアップ

bash# 26. 古いバージョンを削除
brew cleanup

アップグレード後に残った古いバージョンのファイルを削除し、ディスクスペースを節約します。

bash# 27. 特定パッケージの古いバージョンのみ削除
brew cleanup <package>
bash# 28. 削除可能なファイルのサイズを確認(実際には削除しない)
brew cleanup -n

どれだけのスペースが解放されるか事前に確認できるでしょう。

bash# 29. キャッシュを削除
brew cleanup --prune=all

すべてのキャッシュファイルを削除します。

bash# 30. ダウンロードキャッシュの場所を確認
brew --cache

診断・修復

bash# 31. Homebrew の状態をチェック
brew doctor

最重要コマンドの一つです。Homebrew の設定に問題がないか診断し、推奨される修正方法を提示してくれます。

bash# 32. インストールの整合性をチェック
brew missing

依存関係が壊れているパッケージを検出します。

bash# 33. リンク切れを修復
brew link <package>

シンボリックリンクが壊れている場合に再作成できます。

bash# 34. リンクを強制的に上書き
brew link --overwrite <package>

競合がある場合でも強制的にリンクを作成するでしょう。

bash# 実行例: node のリンクを強制上書き
brew link --overwrite node
bash# 35. リンクを解除
brew unlink <package>

一時的にパッケージのコマンドを無効化したい場合に使います。

bash# 36. パッケージを再インストール
brew reinstall <package>

破損したパッケージを修復する際に有効です。

bash# 37. すべての Formula を再インストール
brew reinstall $(brew list --formula)

全パッケージをクリーンインストールし直す際に使用します。環境をリセットしたい場合に便利でしょう。

設定・環境

bash# 38. Homebrew の設定を表示
brew config

インストールパス、CPU アーキテクチャ、Git バージョンなどの環境情報を確認できます。

bash# 39. Homebrew のプレフィックス(インストール先)を表示
brew --prefix

Apple Silicon Mac では ​/​opt​/​homebrew、Intel Mac では ​/​usr​/​local が表示されます。

bash# 40. 特定パッケージのインストール先を表示
brew --prefix <package>

パス設定などで正確な場所が必要な際に使用するでしょう。

高度な操作コマンド(41-50)

より専門的な操作を行うためのコマンドです。

サービス管理

bash# 41. バックグラウンドサービスを開始
brew services start <service>

MySQL や Redis などのサービスを起動します。

bash# 実行例: PostgreSQL を起動
brew services start postgresql@14
bash# 42. サービスを停止
brew services stop <service>
bash# 43. サービスを再起動
brew services restart <service>

設定変更後などに使用します。

bash# 44. 起動中のサービス一覧
brew services list

現在動作しているサービスの状態を確認できるでしょう。

bash# 45. サービスの自動起動を無効化
brew services stop <service> --all

依存関係の調査

bash# 46. パッケージの依存元を表示(このパッケージに依存しているもの)
brew uses <package>

特定のパッケージを削除する前に、影響範囲を確認できます。

bash# 47. 依存関係をツリー表示
brew deps --tree <package>

依存関係を階層構造で視覚的に確認できるでしょう。

bash# 実行例: python の依存関係をツリー表示
brew deps --tree python@3.11
bash# 48. インストール済みパッケージの依存関係を表示
brew deps --installed --tree

システム全体の依存関係を把握できます。

bash# 49. 孤立したパッケージ(どれにも依存されていない)を表示
brew leaves

手動でインストールしたパッケージのみが表示され、クリーンアップの判断材料になります。

bash# 50. 未使用の依存パッケージを削除
brew autoremove

自動的にインストールされたが、もう必要のないパッケージを削除します。

セキュリティ・監査コマンド(51-55)

セキュリティ面での管理コマンドです。

bash# 51. 脆弱性のあるパッケージをチェック
brew audit --installed

セキュリティ上の問題があるパッケージを検出できるでしょう。

bash# 52. 特定の Formula を監査
brew audit <formula>
bash# 53. すべての Formula をスタイルチェック
brew style

Formula の記述が Homebrew の規約に従っているか確認します。開発者向けのコマンドです。

bash# 54. パッケージの署名を検証
brew verify <package>
bash# 55. インストールされたファイルの整合性チェック
brew readall

開発者向けコマンド(56-60)

Formula を作成・編集する開発者向けのコマンドです。

bash# 56. Formula を編集
brew edit <formula>

デフォルトエディタで Formula ファイルを開き、カスタマイズできます。

bash# 57. Formula を作成
brew create <url>

新しい Formula を作成する際のテンプレートを生成するでしょう。

bash# 58. ローカルの Formula をテスト
brew test <formula>

作成・編集した Formula が正しく動作するかテストできます。

bash# 59. Formula のビルドログを表示
brew log <formula>

Git のコミット履歴を確認し、Formula の変更履歴を追跡できます。

bash# 60. 依存関係グラフを Graphviz 形式で出力
brew deps --graph <package>

視覚的な依存関係図を生成する際に使用するでしょう。出力を Graphviz でレンダリングすると、複雑な依存関係も理解しやすくなります。

実践的な使用シナリオ

ここまでのコマンドを組み合わせた、実務でよくあるシナリオを見てみましょう。

シナリオ 1: 新しい Mac のセットアップ

新しい開発環境を構築する際の典型的なフローです。

bash# Homebrew 自体を最新化
brew update
bash# 必要な開発ツールをインストール
brew install git node yarn
bash# GUI アプリをインストール
brew install --cask visual-studio-code google-chrome docker
bash# インストールされたものを確認
brew list

シナリオ 2: 定期メンテナンス(月次推奨)

システムを健全に保つための定期的な作業です。

bash# 更新可能なパッケージを確認
brew outdated
bash# すべてをアップデート
brew update && brew upgrade
bash# 古いバージョンを削除
brew cleanup
bash# システムの健全性をチェック
brew doctor

このフローを月に 1 回実行するだけで、環境を最新かつクリーンに保てるでしょう。

シナリオ 3: トラブルシューティング

エラーが発生した際の対処フローです。

bash# まず診断を実行
brew doctor

表示された警告やエラーに従って対処します。多くの場合、具体的な解決コマンドが提示されます。

bash# リンク切れを修復
brew link --overwrite --dry-run <package>

--dry-run オプションで影響を事前確認できます。問題なければ実行しましょう。

bash# それでも解決しない場合は再インストール
brew reinstall <package>
bash# 依存関係の整合性を確認
brew missing

以下の図は、トラブルシューティングの推奨フローを示しています。

mermaidflowchart TD
  error_occur["エラー発生"] --> run_doctor["brew doctor 実行"]
  run_doctor --> has_warn{"警告あり?"}
  has_warn -->|Yes| follow["指示に従う"]
  follow --> resolved{"解決?"}
  has_warn -->|No| check_link["リンク確認"]
  check_link --> fix_link["brew link 実行"]
  fix_link --> resolved
  resolved -->|No| reinstall["brew reinstall"]
  reinstall --> check_missing["brew missing"]
  check_missing --> resolved
  resolved -->|Yes| task_done["作業継続"]

  style run_doctor fill:#cce5ff
  style resolved fill:#ccffcc

診断の流れ: brew doctor を起点に、段階的に問題を特定・解決していく体系的なアプローチが重要です。

まとめ

本記事では、Homebrew の 60 個の実用コマンドをカテゴリ別に整理し、チートシートとして提供しました。

重要ポイントの再確認

以下の表は、特に重要な基本コマンドをまとめたものです。

#コマンド用途頻度
1brew install <package>パッケージインストール毎日
2brew updateHomebrew 本体の更新週次
3brew upgradeパッケージのアップグレード週次
4brew listインストール済み一覧随時
5brew search <keyword>パッケージ検索随時
6brew doctorシステム診断トラブル時
7brew cleanup不要ファイル削除月次
8brew info <package>パッケージ情報確認随時

この 8 つを覚えておくだけで、日常的な作業の 80% をカバーできるでしょう。

効率的な Homebrew 運用のために

Homebrew を使いこなすことで、開発環境のセットアップやメンテナンスが大幅に効率化されます。本記事のチートシートをブックマークしておき、必要な時にすぐ参照できるようにしておくことをおすすめします。

特に brew doctorbrew cleanup は定期的に実行し、環境を健全に保つようにしましょう。また、新しいプロジェクトを始める際には、必要なパッケージを brew install でまとめてインストールする習慣をつけると、環境構築の時間を大幅に短縮できます。

最後に、Homebrew のコマンドは進化し続けています。定期的に公式ドキュメントを確認し、新しい機能やオプションをキャッチアップしていくことで、さらに効率的な開発環境を実現できるでしょう。

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