Cursor を macOS で最短導入:設定同期・拡張機能共存・プロキシ対応まで

AI を搭載した次世代コードエディタ「Cursor」が、開発者の間で急速に注目を集めています。VS Code ベースでありながら、AI との対話を通じてコーディングを加速できる点が魅力ですね。
しかし、実際に macOS へ導入しようとすると「VS Code の設定はどう引き継ぐの?」「拡張機能は共存できる?」「会社のプロキシ環境で使えるかな?」といった疑問が浮かんでくるでしょう。本記事では、これらの課題を一つずつクリアしながら、最短ルートで Cursor を macOS に導入する手順をご紹介します。
基本インストール
Cursor のダウンロードとインストール
まずは Cursor 本体を macOS にインストールしましょう。公式サイトからダウンロードするだけで、数分で完了します。
以下の図は、Cursor のダウンロードからインストール完了までの基本フローです。
mermaidflowchart TD
start["公式サイトにアクセス"] --> download["macOS版をダウンロード"]
download --> dmg["DMGファイルを開く"]
dmg --> drag["Cursorアプリを<br/>Applicationsフォルダへ"]
drag --> launch["初回起動"]
launch --> done["インストール完了"]
要点: DMG ファイルをダブルクリックして Applications フォルダへドラッグするだけで、従来の macOS アプリと同じ手順で導入できます。
手順
# | ステップ | 詳細 |
---|---|---|
1 | 公式サイトへアクセス | https://cursor.sh にアクセスします |
2 | macOS 版をダウンロード | 「Download for Mac」ボタンをクリックし、DMG ファイルをダウンロードします |
3 | インストール実行 | DMG ファイルを開き、Cursor アプリを Applications フォルダへドラッグ&ドロップします |
4 | 起動 | Applications フォルダから Cursor を起動します |
ダウンロード処理
公式サイトから DMG ファイルをダウンロードする際、ブラウザによってはセキュリティ確認が表示されることがあります。その場合は「許可」を選択してください。
bash# ダウンロード後、以下のコマンドでも開けます
open ~/Downloads/Cursor-*.dmg
ダウンロードが完了したら、Finder から DMG ファイルを開きましょう。
アプリケーション配置
DMG ファイルを開くと、Cursor アプリと Applications フォルダのショートカットが表示されます。
bash# コマンドラインからも移動可能です
cp -r /Volumes/Cursor/Cursor.app /Applications/
Cursor アイコンを Applications フォルダへドラッグすることで、macOS の標準的な場所にアプリが配置されます。これにより、Spotlight 検索や Launchpad からも起動できるようになりますね。
初回起動と基本設定
Cursor を初めて起動すると、macOS のセキュリティ確認やライセンス同意画面が表示されます。ここでは基本的な初期設定を進めていきましょう。
以下の図は、初回起動時の設定フローを示しています。
mermaidflowchart LR
start["Cursor起動"] --> security["macOSセキュリティ<br/>確認"]
security --> welcome["ウェルカム画面"]
welcome --> account["アカウント設定"]
account --> theme["テーマ選択"]
theme --> ready["編集画面表示"]
補足: 初回起動時は macOS が未署名アプリとして警告を出す場合があります。「システム設定 > プライバシーとセキュリティ」から「このまま開く」を選択してください。
macOS セキュリティ確認
初回起動時、macOS が「開発元を確認できないため開けません」という警告を表示することがあります。
bash# セキュリティ設定を確認
spctl --assess --verbose /Applications/Cursor.app
この場合は以下の手順で対処します。
# | 操作 | 説明 |
---|---|---|
1 | システム設定を開く | 画面左上のアップルメニューから「システム設定」を選択 |
2 | プライバシーとセキュリティ | 左メニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリック |
3 | このまま開く | Cursor に関する警告の横にある「このまま開く」ボタンをクリック |
4 | 管理者パスワード入力 | macOS の管理者パスワードを入力して許可 |
アカウント設定
Cursor を起動すると、アカウント作成またはログインを求められます。GitHub アカウントでのログインが最も簡単です。
typescript// Cursor内部では以下のような認証フローが動作します
interface CursorAuth {
provider: 'github' | 'google' | 'email';
token: string;
user: {
id: string;
email: string;
name: string;
};
}
アカウントを作成することで、AI 機能へのアクセスや設定の同期が可能になります。
テーマとエディタ設定
初回起動時に、エディタのテーマやフォントサイズなどの基本設定を選択できます。
json{
"workbench.colorTheme": "Default Dark+",
"editor.fontSize": 14,
"editor.fontFamily": "Menlo, Monaco, 'Courier New', monospace"
}
これらの設定は後から変更できますので、まずはデフォルトのまま進めても問題ありません。設定は Command + ,
で開く設定画面からいつでも変更可能です。
設定同期の実現
VS Code で慣れ親しんだ設定を Cursor でも使いたいと思うのは自然なことですね。ここでは、既存の VS Code 設定を効率的に Cursor へ移行する方法を解説します。
VS Code 設定の移行方法
Cursor は VS Code と設定ファイル構造が共通しているため、手動でのコピーが可能です。以下の図で、設定ファイルの移行パスを確認しましょう。
mermaidflowchart LR
vscode["VS Code設定<br/>~/.config/Code/User/"] --> copy["コピー"]
copy --> cursor["Cursor設定<br/>~/.config/Cursor/User/"]
settings["settings.json"] --> copy
keybindings["keybindings.json"] --> copy
snippets["snippets/"] --> copy
要点: macOS では ~/.config/Code/User/
から ~/.config/Cursor/User/
へ設定ファイルをコピーすることで、ほぼすべての設定を引き継げます。
設定ファイルの場所
VS Code と Cursor の設定ファイルは、以下のディレクトリに保存されています。
# | エディタ | 設定ディレクトリ |
---|---|---|
1 | VS Code | ~/.config/Code/User/ |
2 | Cursor | ~/.config/Cursor/User/ |
3 | VS Code (旧) | ~/Library/Application Support/Code/User/ |
4 | Cursor (旧) | ~/Library/Application Support/Cursor/User/ |
新しいバージョンでは ~/.config/
配下が使われていますが、古いバージョンでは ~/Library/Application Support/
を使用している場合があります。
settings.json のコピー
エディタの動作や見た目に関する設定を定義している settings.json
をコピーします。
bash# VS CodeからCursorへsettings.jsonをコピー
cp ~/.config/Code/User/settings.json ~/.config/Cursor/User/settings.json
このコマンドで、フォントサイズ、テーマ、インデント設定などがそのまま Cursor に引き継がれます。
keybindings.json のコピー
キーボードショートカットのカスタマイズを keybindings.json
から移行します。
bash# keybindings.jsonをコピー
cp ~/.config/Code/User/keybindings.json ~/.config/Cursor/User/keybindings.json
自分専用にカスタマイズしたショートカットがあれば、この操作で Cursor でも同じキー操作が使えるようになりますね。
スニペットのコピー
よく使うコードスニペットも移行しておきましょう。
bash# スニペットディレクトリをコピー
cp -r ~/.config/Code/User/snippets ~/.config/Cursor/User/
スニペットディレクトリには、言語ごとのスニペット定義ファイルが含まれています。これにより、頻繁に使うコードテンプレートも Cursor で利用できます。
Settings Sync を使った同期設定
手動コピーではなく、VS Code の Settings Sync 機能を使って設定を同期する方法もあります。この方法なら、複数のマシン間で設定を自動的に同期できて便利です。
以下の図は、Settings Sync を使った同期フローです。
mermaidsequenceDiagram
participant VSCode as VS Code
participant GitHub as GitHub Account
participant Cursor as Cursor
VSCode->>GitHub: Settings Syncで設定をアップロード
Note over GitHub: 設定がクラウドに保存
Cursor->>GitHub: 同じアカウントでログイン
GitHub->>Cursor: 設定をダウンロード
Note over Cursor: 自動的に設定が適用
要点: GitHub アカウントを使って Settings Sync を有効化すると、クラウド経由で設定を同期できます。
VS Code で Settings Sync を有効化
まず VS Code 側で Settings Sync を有効にします。
typescript// Settings Syncの設定項目
interface SettingsSyncConfig {
'settingsSync.keybindingsPerPlatform': boolean; // プラットフォームごとのキーバインド
'settingsSync.ignoredExtensions': string[]; // 同期除外する拡張機能
'settingsSync.ignoredSettings': string[]; // 同期除外する設定
}
VS Code で以下の手順を実行します。
# | 操作 | 説明 |
---|---|---|
1 | コマンドパレット起動 | Command + Shift + P を押す |
2 | Settings Sync 検索 | "Settings Sync: Turn On" を選択 |
3 | GitHub ログイン | GitHub アカウントでサインイン |
4 | 同期項目選択 | 設定、キーバインド、拡張機能などを選択 |
Cursor で Settings Sync を有効化
次に Cursor 側でも同じ GitHub アカウントで Settings Sync を有効化します。
bash# CursorでSettings Syncの状態を確認
cat ~/.config/Cursor/User/globalStorage/storage.json | grep settingsSync
Cursor でも同様にコマンドパレットから Settings Sync を有効化しましょう。
# | 操作 | 説明 |
---|---|---|
1 | コマンドパレット起動 | Command + Shift + P を押す |
2 | Settings Sync 検索 | "Settings Sync: Turn On" を選択 |
3 | GitHub ログイン | VS Code と同じ GitHub アカウントでサインイン |
4 | 設定をダウンロード | クラウドから設定が自動的にダウンロードされます |
同期される設定項目
Settings Sync では以下の項目が同期されます。
# | 項目 | 内容 |
---|---|---|
1 | Settings | settings.json の内容 |
2 | Keybindings | keybindings.json の内容 |
3 | Extensions | インストールされている拡張機能のリスト |
4 | Snippets | ユーザー定義のスニペット |
5 | UI State | ウィンドウのレイアウトやサイドバーの状態 |
これらが自動的に同期されるため、環境を統一したい場合に非常に便利です。
設定ファイルの配置と確認
設定が正しく移行されたか、ファイルの配置を確認しましょう。以下のコマンドで設定ディレクトリの内容を確認できます。
bash# Cursor設定ディレクトリの内容を確認
ls -la ~/.config/Cursor/User/
確認すべき主要なファイルは以下の通りです。
設定ファイル一覧
# | ファイル名 | 役割 |
---|---|---|
1 | settings.json | エディタの動作設定 |
2 | keybindings.json | キーボードショートカット |
3 | snippets/ | コードスニペット(ディレクトリ) |
4 | globalStorage/ | 拡張機能のグローバルデータ |
5 | workspaceStorage/ | ワークスペース固有のデータ |
settings.json の内容確認
設定が正しく反映されているか、settings.json
の内容を確認します。
bash# settings.jsonの内容を表示
cat ~/.config/Cursor/User/settings.json
以下のような設定が含まれていれば、正常に移行できています。
json{
"editor.fontSize": 14,
"editor.tabSize": 2,
"editor.formatOnSave": true,
"workbench.colorTheme": "Default Dark+",
"files.autoSave": "afterDelay"
}
これらの設定が Cursor のエディタにも反映されていることを、実際にファイルを開いて確認してみましょう。
設定の動作確認
Cursor を起動して、以下の項目を確認します。
# | 確認項目 | 確認方法 |
---|---|---|
1 | フォントサイズ | エディタで文字の大きさを確認 |
2 | テーマ | カラーテーマが VS Code と同じか確認 |
3 | キーバインド | よく使うショートカットが動作するか確認 |
4 | 自動保存 | ファイル編集時の自動保存動作を確認 |
もし期待通りに動作しない設定があれば、settings.json
を開いて該当箇所を修正してください。
拡張機能の共存設定
VS Code で使っていた拡張機能を Cursor でも使いたいですよね。ここでは、拡張機能を効率的に引き継ぐ方法と、Cursor 固有の機能との共存方法を解説します。
VS Code の拡張機能を引き継ぐ方法
Cursor は VS Code の拡張機能マーケットプレイスと互換性があるため、ほとんどの拡張機能をそのまま利用できます。
以下の図は、拡張機能の移行方法を示しています。
mermaidflowchart TD
method1["方法1:<br/>Settings Sync"] --> auto["自動インストール"]
method2["方法2:<br/>手動リスト"] --> list["拡張機能リスト取得"]
method3["方法3:<br/>CLIコマンド"] --> cli["コマンドで一括インストール"]
auto --> verify["動作確認"]
list --> install["個別インストール"]
cli --> verify
install --> verify
要点: Settings Sync を使えば自動的に拡張機能がインストールされますが、手動でリストを取得して選択的にインストールする方法もあります。
Settings Sync による自動インストール
前述の Settings Sync を有効化していれば、拡張機能も自動的にインストールされます。
typescript// Settings Syncが管理する拡張機能情報
interface SyncedExtension {
identifier: {
id: string; // 例: "esbenp.prettier-vscode"
uuid: string;
};
version: string;
enabled: boolean;
}
Settings Sync を有効にすると、数分以内に VS Code でインストールしていた拡張機能が Cursor にも自動インストールされます。
VS Code から拡張機能リストを取得
Settings Sync を使わない場合は、VS Code からインストール済み拡張機能のリストを取得しましょう。
bash# VS Codeでインストール済みの拡張機能をリスト出力
code --list-extensions > ~/vscode-extensions.txt
このコマンドで、インストール済み拡張機能の ID が一覧で保存されます。
bash# 出力例を確認
cat ~/vscode-extensions.txt
出力されるファイルには以下のような内容が含まれます。
textdbaeumer.vscode-eslint
esbenp.prettier-vscode
ms-python.python
ms-vscode.vscode-typescript-next
Cursor へ拡張機能を一括インストール
取得したリストを使って、Cursor に拡張機能を一括インストールします。
bash# リストから拡張機能を一括インストール
while read extension; do
cursor --install-extension "$extension"
done < ~/vscode-extensions.txt
このスクリプトにより、VS Code と同じ拡張機能が Cursor にもインストールされます。インストールには数分かかる場合がありますので、コーヒーでも飲みながら待ちましょう。
インストール確認
Cursor で拡張機能が正しくインストールされたか確認します。
bash# Cursorでインストール済みの拡張機能をリスト出力
cursor --list-extensions
VS Code のリストと比較して、必要な拡張機能がすべてインストールされているか確認してください。
Cursor 固有の拡張機能設定
Cursor には AI 機能を強化する独自の拡張機能や設定があります。これらと既存の拡張機能を共存させる方法を見ていきましょう。
Cursor 専用機能の理解
Cursor には以下の独自機能があります。
# | 機能名 | 説明 |
---|---|---|
1 | Cursor Tab | AI によるコード補完 |
2 | Cursor Chat | エディタ内での AI チャット |
3 | Cursor Composer | 複数ファイルの一括編集 |
4 | Cursor Terminal | AI 支援付きターミナル |
これらの機能は、Cursor の設定から有効化・無効化できます。
json{
"cursor.aiEnabled": true,
"cursor.chat.enabled": true,
"cursor.tab.enabled": true,
"cursor.composer.enabled": true
}
GitHub Copilot との共存
GitHub Copilot を使用している場合、Cursor の AI 機能と競合する可能性があります。
json{
// GitHub Copilotを無効化する場合
"github.copilot.enable": {
"*": false,
"plaintext": false,
"markdown": false
},
// Cursor Tabを優先する場合
"cursor.tab.enabled": true
}
両方を有効にすると提案が重複することがあるため、どちらか一方を選択することをお勧めします。
ESLint・Prettier との統合
コード品質を保つための拡張機能は、Cursor でも引き続き使用できます。
json{
// ESLint設定
"eslint.enable": true,
"eslint.format.enable": true,
// Prettier設定
"editor.defaultFormatter": "esbenp.prettier-vscode",
"editor.formatOnSave": true,
// Cursor AI機能との共存
"cursor.aiEnabled": true
}
これらの設定により、AI 支援を受けながらもコード品質を自動的にチェックできます。
競合する拡張機能の対処法
複数の拡張機能が同じ機能を提供している場合、競合が発生することがあります。ここでは代表的な競合パターンと解決方法を紹介します。
フォーマッタの競合
複数のフォーマッタがインストールされている場合、優先順位を設定します。
json{
// デフォルトフォーマッタを指定
"editor.defaultFormatter": "esbenp.prettier-vscode",
// 言語ごとにフォーマッタを指定
"[typescript]": {
"editor.defaultFormatter": "esbenp.prettier-vscode"
},
"[python]": {
"editor.defaultFormatter": "ms-python.black-formatter"
}
}
この設定で、ファイルタイプごとに適切なフォーマッタが選択されます。
コード補完の競合
複数の AI 補完機能が有効になっている場合の対処法です。
json{
// IntelliSenseの設定
"editor.suggestSelection": "first",
"editor.quickSuggestions": {
"other": true,
"comments": false,
"strings": false
},
// Cursor Tabを優先する場合
"cursor.tab.enabled": true,
"github.copilot.enable": {
"*": false
}
}
優先したい機能を有効にし、競合する機能を無効化することで、スムーズなコーディング体験が得られます。
拡張機能の無効化
特定の拡張機能が問題を引き起こす場合、Cursor でのみ無効化することができます。
bash# 特定の拡張機能を無効化
cursor --disable-extension <拡張機能ID>
または、Cursor の拡張機能ビューから手動で無効化することも可能です。
# | 操作 | 説明 |
---|---|---|
1 | 拡張機能ビューを開く | Command + Shift + X を押す |
2 | 該当拡張機能を検索 | 無効化したい拡張機能を探す |
3 | 歯車アイコンをクリック | 拡張機能の右側にある歯車をクリック |
4 | 無効化を選択 | "無効にする" または "無効にする (ワークスペース)" を選択 |
これで、必要に応じて拡張機能の有効・無効を切り替えられますね。
プロキシ環境での対応
企業環境では、プロキシサーバーを経由してインターネットに接続することが一般的です。Cursor の AI 機能や拡張機能のダウンロードをプロキシ環境で使用するための設定を解説します。
プロキシ設定の基本
Cursor でプロキシを設定する方法は、VS Code と同様です。以下の図でプロキシ接続のフローを確認しましょう。
mermaidflowchart LR
cursor["Cursor"] --> proxy["プロキシサーバー"]
proxy --> internet["インターネット"]
cursor -.->|設定| config["http.proxy設定"]
config -.->|適用| cursor
要点: settings.json
に http.proxy
を設定することで、すべてのネットワーク通信がプロキシ経由になります。
settings.json でのプロキシ設定
基本的なプロキシ設定を settings.json
に追加します。
json{
// プロキシサーバーのアドレスとポート
"http.proxy": "http://proxy.company.com:8080",
// プロキシを使用しない除外リスト
"http.proxySupport": "on",
// 厳格なSSL証明書検証を無効化(必要な場合のみ)
"http.proxyStrictSSL": false
}
プロキシアドレスは、社内 IT 部門から提供された情報を使用してください。
環境変数でのプロキシ設定
macOS のシェル設定ファイルにプロキシ環境変数を追加する方法もあります。
bash# ~/.zshrc または ~/.bash_profile に追加
export HTTP_PROXY="http://proxy.company.com:8080"
export HTTPS_PROXY="http://proxy.company.com:8080"
export NO_PROXY="localhost,127.0.0.1,.local"
環境変数を設定した後、ターミナルを再起動します。
bash# 設定を反映
source ~/.zshrc
プロキシ設定の確認
設定が正しく適用されているか確認しましょう。
bash# 環境変数を確認
echo $HTTP_PROXY
echo $HTTPS_PROXY
また、Cursor 内でネットワーク接続をテストします。
bash# Cursor内のターミナルで接続テスト
curl -I https://marketplace.visualstudio.com
HTTP/1.1 200 OK
などの応答が返れば、プロキシ経由で接続できています。
認証プロキシへの対応
ユーザー名とパスワードが必要な認証プロキシの場合、認証情報を含めた設定が必要です。
認証情報を含むプロキシ設定
json{
// ユーザー名とパスワードを含むプロキシURL
"http.proxy": "http://username:password@proxy.company.com:8080"
}
セキュリティ上、パスワードを平文で保存するのは推奨されません。次のセクションで安全な管理方法を紹介します。
認証情報の安全な管理
認証情報を直接 settings.json
に書くのではなく、環境変数を使う方法があります。
bash# ~/.zshrc に認証情報を含むプロキシを設定
export HTTP_PROXY="http://username:password@proxy.company.com:8080"
export HTTPS_PROXY="http://username:password@proxy.company.com:8080"
さらに安全にするには、macOS のキーチェーンを使用します。
bash# キーチェーンにパスワードを保存
security add-generic-password \
-a "username" \
-s "proxy-password" \
-w "password"
スクリプトからキーチェーンの値を取得して環境変数に設定することで、平文でのパスワード保存を避けられます。
bash# キーチェーンからパスワードを取得
PASSWORD=$(security find-generic-password -a "username" -s "proxy-password" -w)
export HTTP_PROXY="http://username:$PASSWORD@proxy.company.com:8080"
プロキシ認証のテスト
認証プロキシの設定が正しいか、実際に接続してテストします。
bash# 認証プロキシ経由で接続テスト
curl -x http://username:password@proxy.company.com:8080 -I https://marketplace.visualstudio.com
認証が成功すれば、200 OK
が返ってきます。
接続エラーのトラブルシューティング
プロキシ環境では、さまざまな接続エラーが発生することがあります。代表的なエラーと解決方法を見ていきましょう。
以下の図は、トラブルシューティングのフローチャートです。
mermaidflowchart TD
error["接続エラー発生"] --> check1{"プロキシ設定は<br/>正しい?"}
check1 -->|No| fix1["設定を修正"]
check1 -->|Yes| check2{"SSL証明書<br/>エラー?"}
check2 -->|Yes| fix2["proxyStrictSSL:<br/>falseに設定"]
check2 -->|No| check3{"認証エラー?"}
check3 -->|Yes| fix3["認証情報を確認"]
check3 -->|No| check4{"タイムアウト?"}
check4 -->|Yes| fix4["timeout設定を<br/>延長"]
check4 -->|No| support["サポートに問い合わせ"]
fix1 --> retry["再接続"]
fix2 --> retry
fix3 --> retry
fix4 --> retry
補足: エラーの種類によって対処法が異なるため、エラーメッセージを注意深く確認することが重要です。
Error: Unable to connect to proxy
このエラーは、プロキシサーバーへの接続自体ができない場合に発生します。
bash# プロキシサーバーへの接続確認
nc -zv proxy.company.com 8080
以下の点を確認してください。
# | 確認項目 | 対処法 |
---|---|---|
1 | プロキシアドレスが正しいか | IT 部門に確認 |
2 | ポート番号が正しいか | 一般的には 8080, 3128 など |
3 | ネットワークに接続されているか | Wi-Fi や VPN の接続を確認 |
4 | ファイアウォールがブロックしていないか | macOS のファイアウォール設定を確認 |
Error: Proxy authentication required
プロキシ認証が必要なのに認証情報が提供されていない場合のエラーです。
json{
// 認証情報を追加
"http.proxy": "http://username:password@proxy.company.com:8080",
"http.proxyAuthorization": null
}
認証情報が正しいか、IT 部門に確認してください。
Error: self-signed certificate in certificate chain
社内プロキシが自己署名証明書を使用している場合に発生します。
json{
// SSL証明書の厳格な検証を無効化
"http.proxyStrictSSL": false
}
この設定により、自己署名証明書でも接続できるようになります。ただし、セキュリティリスクがあるため、IT 部門と相談の上で使用してください。
タイムアウトエラー
プロキシ経由の接続が遅い場合、タイムアウトが発生することがあります。
json{
// タイムアウト時間を延長(ミリ秒)
"http.timeout": 30000
}
デフォルトの 10 秒から 30 秒に延長することで、接続が安定する場合があります。
拡張機能のインストールエラー
プロキシ設定が正しくても、拡張機能のインストールでエラーが出る場合があります。
bash# プロキシ経由で拡張機能を手動インストール
HTTP_PROXY=http://proxy.company.com:8080 \
HTTPS_PROXY=http://proxy.company.com:8080 \
cursor --install-extension <拡張機能ID>
環境変数を明示的に指定することで、インストールが成功する場合があります。
ログの確認
詳細なエラー情報は、Cursor の開発者ツールで確認できます。
bash# Cursorで開発者ツールを開く
# Command + Shift + P を押して "Developer: Toggle Developer Tools" を実行
コンソールに表示されるエラーメッセージから、問題の原因を特定できることがありますね。
# | エラーの種類 | 確認場所 |
---|---|---|
1 | ネットワークエラー | Console タブ > Network セクション |
2 | 拡張機能エラー | Console タブ > エラーメッセージ |
3 | プロキシ認証エラー | Network タブ > Failed requests |
4 | タイムアウト | Console タブ > timeout メッセージ |
まとめ
本記事では、macOS に Cursor を最短で導入し、VS Code からの設定移行、拡張機能の共存、プロキシ環境での動作を実現する方法を解説しました。
重要なポイントを振り返りましょう。
# | 項目 | 要点 |
---|---|---|
1 | 基本インストール | DMG ファイルから Applications フォルダへドラッグするだけで完了 |
2 | 設定同期 | Settings Sync を使えば GitHub 経由で自動同期が可能 |
3 | 拡張機能 | VS Code の拡張機能はほぼそのまま利用でき、CLI で一括インストールも可能 |
4 | プロキシ対応 | settings.json に http.proxy を設定するだけで対応完了 |
Cursor は VS Code ベースのため、既存の設定や拡張機能を活かしながら、AI 支援によるコーディングを体験できます。プロキシ環境でも適切な設定を行えば、企業内でも問題なく利用できますね。
これで、macOS での Cursor 導入は完了です。AI を活用した効率的なコーディングをお楽しみください。
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